雨過天晴

ジャズとホークスとファッションなどなど
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そして時々飽きます

Hanamichi - The Final Studio Recordings

2021-05-04 | 音楽
何もないGW。
それでも昨日はYuさんと散歩がてら少し離れたGU店舗まで歩いて行きました。
Yuさんが気になって気になって仕方がなかったワンピースを求めて。
片道40分弱。
少しだらけた体も目覚めてくれたようです。
とても気に入ったようでサイズと色味ととっかえひっかえで試着した結果買っておりました。
お金は父の財布からですが・・・。

今日は腰を据えて聴かなければならない一枚を手元において鎮座しておりました。
菊地雅章最後のソロレコーディングとなった『Hanamichi - The Final Studio Recording』。

 
1. Ramona
2. Summertime
3. My Favorite Things I
4. My Favorite Things II
5. Improvisation
6. Little Abi

菊地 雅章 (p)

1曲目はメイベル・ウェインが作曲の1928年の映画「ラモーナ」から。
2曲目〜4曲目は言うまでもないジャズの名曲。
5,6曲目が菊池のオリジナル。
6曲目は過去エルヴィン・ジョーンズやゲイリー・ピーコックらとも共演したことのある曲です。

本作を世に送り出したのはECMの総帥マンフレッド・アイヒャー、ではなく彼の右腕としてプロデューサーをつとめたサン・チョン。
サン・チョンがECMから離れ、Red Hook Recordsからリリースされる1枚目のアルバムとして夜に出たものです。

録音当時(2013年頃)、菊池は肺がんを患っており闘病中の身。
薬物治療などで体力的にも落ちている中での演奏なのですが、1曲目の音がなるとゾワッと鳥肌が立つほどの美しい音。
ワタシはキース・ジャレットの『The Melody At Night, With You』のキース復活時の音を思い出しました。
 
いつになく優しいタッチのキース。

実は本作でもエッジの効いたPooさんの音とは思えぬ1音目だったのです。
生死の境を見た人にしか出せないような、最後の灯火のように聴こえてしまいました。
しかしそこからスタンダードを演奏するPooさんはやや優しめではあるもののPooさんの音・演奏であり、内省的な世界観に惹き込まれます。
自らのオリジナルとなるとその傾向は強く、さすがは日本を代表するピアニスト、闘病中でも素晴らしい演奏を聴かせてくれます。

そしてラストの曲。
それもラストの1音。

これがPooさんのお別れの1音。
すごく聴き終わったあとにも耳に残りました。
それは聴き側のこっちの勝手な思いで、勝手なストーリーを作ってしまったのかもしれません。
でもワタシにはそれが最後のあいさつのようにも聴こえるのです。
”どう?”
みたいな感じで。


Pooさん、菊地雅章の最後のアルバムはこれで良かったと思います。
サン・チョンが花道を作ってくれたのでしょう。

ファンの一人として、本当にありがとうございます。



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