在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”ジョルジョ・プリモ 1995” ラ・マッサ

2007-06-10 16:31:07 | Toscana トスカーナ
"Giorgio Primo 1995" La Massa -Toscana
今はIgtワインになったが、まだキャンティ・クラシコだった時代のもの。今とはブレンドが違う。品種はサンジョヴェーゼ75%、メルロー25%。
色はガーネット。程よい色の濃さ。澱がやや見える感じあり。
香りは、フルーツのコンフィがあるが、他、ミネラル臭が強い。なんとなく塩昆布風の香りもする。(日本人にしかわからないが。。)辛口スパイス臭、バルサム臭balsamico、リコリースの木そのものなど。奥にはやや臭みがあり、革、アニマル臭などもある。アルコール臭が時々鼻につく。
味は、タンニンがまろやかになっているので酸が際立つ。アルコールが強い。味の強さは申し分なく、後味に酸がきれいに残る。
こういう偉大なワインの1本が、10年以上を経て、良くなっていると思うのは当たり前のことで、だから期待してしまう。期待される方が酷で、決して悪くはないし、きれいにまとまり、ちゃんと熟成しているが、感動が少ない。。
それにしても、トスカーナはアルコールがどうしても強い。。

”バルベーラ・ダスティ・ラ・ボリオーナ 1995” スカルパ

2007-06-10 16:10:10 | Piemonte ピエモンテ
"Barbera d'Asti Superiore La Bogliona 1995" Scarpa -Piemonte
スカルパはイタリア語で一足(片方)の靴の意味。バローロ、バルバレスコ、ネッビオーロも造っているが、バルベーラ、ルケなどのちょっと地味系(?)が得意な伝統的ワイナリー。150年の歴史を持つ。
品種は、バルベーラ。こういう、小粒できらっと光るワイナリーのワインが10年以上の時を経て、どうなっているかは興味深いところ。いったいどれだけもつのか。。
色は薄く、ガーネット色。爪にははっきりオレンジ色が見えている。熟成かなり進んでいる感じ。
香りは、まるで野菜畑に立ったよう。土、ドライトマト、キノコ、黒オリーブ、アニマル臭など。と書くと、何?と思うかも知れないが、熟成がきれいに進んでいる。こういう正統派伝統的ワインの進む道をちゃんと行っている感じで、どこかの、フルーツのコンフィが残っているけど、なんだかすぐに消えてしまう高級ワインと比べると、こちらの方が、優しく、香りの複雑性、持続性があり良い。
味は、酸が際立つ。タンニンはまろやかになってほとんど感じない。香りで感じたものが、酸と一緒に、味、後味に残る。持続性あり。
こういうワインを受け付けない人は別だが、小さな発見、と言う感じ。