在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

DOCG アルバーナ・ディ・ロマーニャ -エミリア・ロマーニャ

2007-06-13 08:13:22 | イタリア・ワインABC
DOCG Albana di Romagna -Emilia Romagna
DOCGである。それも一番最初の白のDOCGである。
さて、エミリア・ロマーニャ州は横に長い。食通の町、食い倒れの町は州の左側、エミリア地方に集中している。その代表がパルマで、生ハム、それより美味しい(?)クラテッロ、パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズの産地で、ヨダレが出そうな町である。また、周辺にはバルサミコ酢の産地、モデナとレッジョ・エミリアもある。しかし、ワインはと言うと、エミリア地方の特産は何と言ってもランブルスコ。安い発泡性の赤ワインでしかなく、お世辞にも味わい深いとは言えない。。(イタリアのコカコーラと言った人もいる。。注:私ではありません。)天はニ物を与えないのか、と思ったりして。
隣、つまり、右側はロマーニャ地方。食べ物に関しては負けてしまうが(と言っても、イタリアでも最も良いオリーブオイルの産地、ブリシゲッラはこちら側)、ワインはこちらの方が断然イイ。
で、アルバーナ・ディ・ロマーニャ。産地は、F1で有名なイモラからチェセーナまでとかなり広い。品種はアルバーナ100%。アルバーナは、やたらひょろっと長いぶどうで、これで、DOCGワインができるの?と思わせてしまう。確かに辛口バージョンは、いくつかのワイナリーのものを除いて、お世辞にも美味しいとは言えない。。でも、安くて、きりりとした酸味がご愛嬌と思おう。
DOCGアルバーナには薄甘口、甘口バージョンもある。これも、いくつかを除いて、まあまあの出来。確かに酸味と糖分のバランスは程よく取れているが、という感じ。
アルバーナが本領を発揮するのはパッシート。遅摘み、それも貴腐が付いたり付かなかったり、収穫後の陰干しをしたりといろいろな造り方はあるが、美味しい。また、非常にレベルの高い素晴らしいものもある。アルバーナの酸味と糖分のバランスが見事に取れ、デザートに、チーズに、濃厚なものは食後の瞑想用にお勧め。日本では、デザートワインが敬遠されているのが非常に残念。ぜひ、試して欲しい。
辛口を飲んでるだけでは他のDOCGから村八分にされそうな感じはあるが、パッシートで完全に面目回復。