在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

DOCG ヴァルテッリーナ・スーペリオーレ

2007-06-25 19:53:40 | イタリア・ワインABC
DOCG Valtellina Superiore -Lombardia
ミラノのあるロンバルディア州のDOCG。イタリアでも最も北にあるワイン生産地の一つとなる。コモ湖に流れるアッダ川が、ちょうど真横に流れているあたり、ソンドリオを中心として、生産範囲は一部、川の南側もあるが、ほとんどが川の北側を占めている。川に沿っているので、生産地域も東西に細長い。
地理的にアルプスの南側となるので、標高が高く、400mくらいはあり、600mに達するところもある。当然、完全な大陸性気候。
以前、まだDOCだった頃、DOCヴァルッテリーナの名前で、大きく分けると、
・ヴァルッテリーナ いわゆるノーマル赤ワイン+スフォルツァート
・ヴァルッテリーナ・スーペリオーレ
・スーペリオーレのソットゾーナsottozona(地域名)付き
があった。
それがバラバラになり、DOCGに格上げされたのはスフォルツァートとスーペリオーレ+ソットゾーナ付き。ノーマル赤ワインはDOCヴァルテッリーナ・ロッソという名前になった。
スフォルツァートに付いては、完全に別のDOCGになっているので別の機会に言及するが、干したぶどうで造った辛口赤ワイン。

ぶどう品種は、バローロ、バルバレスコと同じ、おなじみネッビオーロ。しかし、ネッビオーロが名前を変えて、この地域ではキアヴェンナスカと言う。一般には100%で造るが、規定では90%以上となっているので、他のぶどうを混ぜることも出来る。
ソットゾーナの付いていないタダのスーペリーレにもリゼルヴァはあるが、ソットゾーネの付いているものにもリゼルヴァがある。
そこで、ワイナリーによっては、実に多くの、それも似たようなワインを造っているところがある。と言うより、意外に多い。
ソットゾーネでものすごく大きな違いがあるわけではなので、ソットゾーネごとの違いよりワイナリーごとの違いの方が大きい。
以下は、DOCの時は4つだったのが5つに増えたソットゾーネ。
・マロッジャ Maroggia 新しく増えたもの
・サッセッラ Sassella
・グルメッロ Grumello
・インフェルノInferno
・ヴァルジェッラ Valgella
インフェルノは地獄という意味だが、夏は特に暑いというところから来ている名前。
そして、ソットゾーネではないが、スイス国境内でボトル詰めされたものには、スタガファッスリStagafassliの名称を付けることができる。スイスは近いのだ。それと、この地域の面白いのは、一見赤ワインしか造っていないようなイメージがあるが、結構白ワインも造っている。中に、ネッビオーロの白、ネッビオーロのスプマンテなんてのがあったりして、ちょっとご愛嬌だが、面白い。