在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”トレッビアーノ・ダブルッツォ 1996” エドアルド・ヴァレンティーニ 

2007-06-08 05:11:44 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
"Trebbiano d'Abruzzo 1996" Edoardo Valentini -Abruzzo
リベンジ。前回のものが保存状態があまりよくなかったので。アブルッツォ州の神話的ワイン。品種はトレッビアーノ100%。
麦わら色。つや良し。
臭みはある。かなり。最初はやや弱く、香りが閉じている。前回のキャベツ畑の真ん中に立った感じ、豊富なミネラル臭はないが、それでも若干のキャベツ、ネギ、キノコはある。トリュフ臭、トリュフ臭に良く似ているガス臭、何故かスイカの皮?漬物、つまり発酵臭か?ピクルス風の香り、アニマル臭、生ニンニク風などなど。こういう香りを良いと言うのはおかしいかも知れないが、ビオ系が好きなものにはたまらない。
味にも臭みあり。アニマルか馬(馬も動物だけど。。)の風味、程よい酸が大変きれいで、塩味あり。後味長い。
これでも最高のコンディションではないというが、前回に比べたら大変良い出来。
さすがヴァレンティーニ。

”アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ 1997” アッレグリーニ

2007-06-07 06:43:57 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
"Amarone della Valpolicella 1997" Allegrini -Veneto
ヴェネト州の超有名人気ワイン。品種は、コルヴィーナ、ロンディネッラ、モリナーラ3種のクラシカルなブレンド。
ルビー色からガーネット色がかる。「爪」は完全にガーネット。全体に割と濃い目。
香りは、アニマル、キノコ、土の臭みが出ている。やや閉じていて、開くのに時間がかかる。干しぶどう、バルサム臭balsamicoあり。果肉polpa、肉厚carnoso感じる。ぶどうを干して造ってるから、当たり前か。。
味のインパクト良し、アルコール強し(アルコール度15%だから、これも当たり前。。)酸がきれい。くさみ、やや煮込んだ感じcottoのフルーツが後味に残る。持続性良し。かなり塩気有り。
と、書くと良いことずくめのようであるが、物足りない。何か、欠けているものがあるような気がする。あまりにも当たり前で、感動がない。ベルターニのアマローネ1997と一緒に飲んだからか。。?? 1997年神話は、それはそれで良いが、崩れるとは言わないけれど、10年たって、上からブロックがゴロっと一つ落ちてきている感じあり。

ワイナリー カタルディ・マドンナ(2)

2007-06-07 05:53:51 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
 Cataldi Madonnna -Abruzzo
カタルディ・マドンナのワイン
*トレッビアーノ・ダブルッツォTrebbiano d'Abruzzo 2006
すっきり爽やかでとても感じの良いワイン。甘いフルーツがとてもきれい。柑橘ややシロップ漬け、アカシア、エニシダginestra、ほんのり緑の香り。味は酸がきれいで柑橘系の味が広がる。シンプルでも、程よい味の強さがあり、ほんの少し残る最後の苦味が心地良い。
*ペコリーノPecorino 2005 e 2006
バリック熟成約5ヶ月。品種のペコリーノは、子羊の意味。羊チーズもペコリーノと言う。ぶどうの名前は変な名前も多いよね。。
2005年は、グレープフルーツ、トマトの葉に、何故か米ぬか風の香りが加わり、ミネラルがプラスされ、ちょっとソーヴィニオン風で面白い。ブラインドだと、中部イタリアのソーヴィニオンか?と思うかも。アルコールあり、酸が強く、きれい。ペコリーノは酸味の強い品種。
2006年は、柑橘にややハチミツがかった甘さがあり、白コショウ、香草が加わる。若いのにだいぶ柔らかさがあり、酸がだいぶ抑えられた感がある。piu' grasso。
*チェラスオーロ・ピエ・デッレ・ヴィーニェ Cerasuolo Pie' delle Vigne 2005
ロゼ。品種はモンテプルチャーノ。ロゼなのに、コクがある。ベースもあるが、こちらは一つランクが上の方。サクランボに加えて、シナモン、赤コショウなどのスパイス臭が加わり、かなり良い。味にドライフルーツ風もあり、味の強さ、長さが申し分ない。こういう良いロゼがイタリアにあることが嬉しい。
*モンテプルチャーノ・ダブルッツォ・マランドリーノMontepulciano d'Abruzzo Malandrino 2004
品種はモンテプルチャーノ。バリックで熟成のランクが上のもの。
ふくよかで、サクランボ、土、スパイス臭、リコリース、タバコの葉、バニラなどあり。複雑性あり、心地良いが、奥にはモンテプルチャーノらしいくさみがちゃんとある。味は柔らかさあり、木、バニラを感じる。甘いくらいの口当たり。味の強さ良く、持続性がある。

ワイナリー カタルディ・マドンナ(1)

2007-06-05 07:15:15 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
 Cataldi Madonna -Abruzzo

アブルッツォ州の中でも、比較的ローマに近いアクイラ県、オフェーナの町の外れにある。ワイナリーの経営者はルイジ氏。とてもかわった愉快な人で、古くから続く男爵家の血を引く人とは思えない。(と言ったら失礼。。)カタルディ・マドンナはどちらも苗字で、つまり2つの苗字が合わさった「ドッピオ・コニョーメdoppio congome」。ドッピオ・コニョーメでは、他に、かの有名なモンタルチーノのワイナリー、ビオンディ・サンティがある。
ワイナリーの創業は1920年。現在の経営者のおじいさんだが、1975年にこの地域で初めてボトル詰めをしている。ワインの醸造は、1990年までは、オフェーナの町の中心に今でもあるカタルディ・マドンナ家の宮殿の一部で行っていたが、今は元、馬小屋だった建物を改築し、醸造所としている。畑に囲まれているが、畑の面積は27ヘクタール、うち4ヘクタールは伝統的な棚造り栽培。
ワイナリーの主力品種は、赤はモンテプルチャーノ、白はトレッビアーノ。しかし、白にはペコリーノという品種が加わる。ペコリーノは、アブルッツォ州を中心に、中部から南イタリアの一部で見られる、古くからあるかなりマイナーな品種だが、たいていは他の品種とブレンドして使ってしまう。このワイナリーでは、ペコリーノにかなり力を入れていて、ブレンドせず、単一品種で白ワインを造っているが、これが実に面白い。
赤ワインは、モンテプルチャーノを使い、ベース・ワインも含めて3種類を造っている。ベース・ワインも良いが、微妙に造り方の違う2つのワインが、個人的な好みも含めて甲乙を争う。
他、意外に良いのがロゼで、ロゼも2種類を造る。上のランクのロゼは、ロゼにしっかりした味わいが加わり、大変良い出来。
また、現在テスト段階中、つまり、一般に販売していないものに、ペコリーノで造ったデザート・ワインがある。遅い収穫で糖度を上げ、甘いワインに仕上げる。まだ未完成段階だが、これからに大いに期待したい。

Guida delle Guide dei Vini 2007

2007-06-04 06:16:49 | もろもろ、つれづれ
Civilta' del bereという雑誌がある。かなりマニアックな雑誌と言っても過言ではない。毎年、ワインの評価本を集めて、詳細を研究する。
対象としているのは以下の5冊である。(全て2007年版)

イタリア・ソムリエ協会発行の DUEMILAVINI(最高のランクのワイン=ぶどう5房 295)
ESPRESSO(最高のランクのワイン=ボトル5本 131)
GAMBERO ROSSO(最高のランクのワイン=グラス3つ 282)
ワイン・ジャーナリストLuca MARONI氏のガイド・ブック(最高のランクのワイン=vini-frutto 836)
ワイン・ジャーナリスト亡Luigi VERONELLI氏のガイド・ブック(最高のランクのワイン=vini eccellenti 467+22)

以上の5冊全てで最高評価を得ているワインはどれか?
今年は僅か2本があがった。(ちなみに2006年は7本)

Montevetrano 2004 -Montevetrano
Galatrona 2004 -Fattoria Petrolo

”モンテヴェトラーノ”は、カンパーニャ州、サレルノ県で造っている赤ワインで、リッカルド・コタレッラ氏の作品。品種はカベルネ・ソーヴィニオン60%、メルロー30%、アリアニコ10%。このワイナリーは、唯一これしか造っていない。
モダンな味わいに南イタリアの風(そよ風?)を混ぜた感じの、南イタリアを代表する1本。
”ガラトローナ”は、トスカーナ州、アレッツォ県で造っている赤ワインで、カルロ・フェリーニ氏がコンサルタント。品種はメルロー100%。中部イタリアの、深みのあるボディとエレガントさを兼ね備えたワイン。

ここにはガヤもサッシカイアもルーチェもない。
参考までに、ガヤの”ソリ・サンロレンツォ 2003”で3冊の最高ランク。
”サッシカイア 2003”で4冊の最高ランク。(ただし2001年ヴィンテージは5冊全部)
”ルーチェ 2003”でわずか2冊の最高ランクである。




古代ローマ時代のオリーブ・オイルのカテゴリー

2007-06-03 06:19:10 | オリーブ・オイル
 オリーブ・オイルの起源は西アジアと言われているが、紀元前6-5世紀にはギリシャの島々、植民地、北アフリカ、南イタリアに広がり、栽培、生産がされていたと言う。
 ローマ時代には既にオリーブ・オイルが食され、また、人々に愛されたオイルと言われているが、その当時のオリーブ・オイルのカテゴリーがちょっと面白い。

1 oleum ex albis ulivis : 最高級品。緑のオリーブで作られたもの。
2 viride : 黒くなり始めたオリーブで作られたもの。
3 maturum : 熟したオリーブで作られたもの。
4 caducum : 地面に落ちたオリーブで作られたもの。
5 cibarium : 傷んだオリーブで作られたもので奴隷の消費用。

 今とはカテゴリー分けは違うが、品質の良し悪しに準じて既にカテゴリーが存在していたとはかなりすごい。それも、なるほど、痛いところを突いている。つまり、例えば、まだ緑色のオリーブの実を絞ったものは、香りが非常に良いので、今でも高評価を得る。地面に落ちたオリーブの実で作ったものは、今でも、少しでも搾油量を増やそうとでも思って混ぜると、当然オイルは良いものにならない。そこに傷んだ実を入れたりしたら、それこそ酸度が上がり、食用ではなく、いわゆるランプ用lampanteとなってしまう。おそらく、それに準ずるものを食していたとは、奴隷がかわいそうだが。

”ヴェルディッキオ・ガイオスピーノ 2000 e 2004” ファットリア・コロンチーノ

2007-06-02 08:08:51 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
"Verdicchio dei Castelli di Jesi Class. Sup. Gaiospino 2000 e 2004" Fattoria Coroncino -Marche
マルケの高品質ヴェルディッキオ。品種はヴェルディッキオ100%。
2000年ヴィンテージ
麦わら色で爪はやや薄めの色合い。
香りは、ナッツ、柑橘、フルーツのシロップ漬けにゴム系の匂いが加わる。白の大変良い熟成状態。複雑性を帯びていて、非常に良い。
味にも、ゴム系の香りが出ている。ボディ良く、酸がきれいにある。味の強さも申し分なく、後味も長い。細く長く続く。最後に塩味残る。
2004年ヴィンテージ
濃い目の麦わら色で、ややグリーンがかったかもという黄金色を帯びる。
香りは甘く、強さとても良い。花、フルーツがきれい。アカシア、柑橘、桃など。広がりあり。ナッツの片鱗感じる。
木は、香りではあまり感じないが、味には出てる。ボディあり。酸より塩味が強い感じあり。
2004年もそれなりに良いが、やはり白でも少し置いてからの方が断然良い。もちろんワイン、ヴィンテージによる訳だが、良質白ワインをすぐに開けて飲んでしまうのは残念。やめよう。がんばって(ちゃんと保存するのにがんばる)、思い切って(誘惑に負けないこと)取っておこう。

ワインのラベルはがし - ワインメモリー

2007-06-01 07:57:02 | もろもろ、つれづれ
日本にいたら、どこでも手に入るワインのラベルはがし。愛用している人も多いと思います。やっと最近、イタリアでも少しずつ見かけるようになりましたが、品質の良くないものも出回っているので、大切なラベルの保存には良いものを使いたいです。以下、品質の良いラベルはがしが購入できるローマのお店をご紹介します。
「ワインメモリー」の名前で販売しています。
日本から持ってきたストックが切れてしまったら、また、旅行客の方でも、飲んだワインのラベルを記念に持ち帰ろうと突然思ったら、ちょっと立ち寄ってみてください。

TRIMANI Via Goito 20 Tel 06 4469661
GUSTO Piazza A. Imperatore 9 Tel 06 3226273
お問い合わせ
KOCY Tel & Fax +39 065747724
www.winememory.com


”グラナート 2001 e 2002” フォラドーリ

2007-06-01 07:27:53 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
"Granato 2001 e 2002" Foradori -Trentino Alto Adige
トレンティーノの高評価ワイン。品種はテロルデゴ100%。
2001年ヴィンテージ
凝縮感のあるルビー色で、まだ赤紫がかる。
香りは、甘酸っぱさがきれいに出る。フルーツはもちろん、臭みもあり。馬小屋、汗、腐葉土、バルサム臭balsamico、トースト臭など。香りがたつのにやや時間がかかる。
味はきれいに広がる。ボディが程よく、タンニンと酸のバランスがとてもよい。後味の広がりがあり、長く続く。
2002年ヴィンテージ
凝縮感のあるルビー色。赤紫はない。
香りは、インパクトは良いが、小さくまとまった感じ。サクランボ、森の木の実の他、熟成香が出ていて、スパイス臭、革、土、インク、肉の匂い、リコリース、タバコなど。
味は、アルコールがやや強く感じられ、酸がある。やや気になる。タンニンはなく、酸がとにかく主役。広がりにはやや欠け、後味は長いが、最後に心持ち苦味が残る感あり。全体に小さくまとまった年。
ブラインドだと2001年の方が若いくらいに感じる。それも1年の差しかないのが興味深い。2002年の夏は寒くて震えていたが、ぶどうも震えていた感じ。