映画45; 東京映画散策 ~銀幕に見る失われた昭和の風景~
『銀座二十四帖』
★★★★★ ★★★☆☆
日本 日活 モノクロ 1955年 119分
キャスト
森繁久彌(ナレーション、歌)
月丘夢路 北原三枝 三橋達也 河津清三郎 浅丘ルリ子
監督 川島雄三
原作 井上友一郎
脚本 柳沢類寿
銀座二十四帖
(C)日活
テレビで『銀座二十四帖』を見る。
『銀座二十四帖』もわたしの生まれる以前の映画。
俳優女優の名がわからないが、とにかく女優が美しい。
キャスト名配列から考えて、月丘夢路さんは多分和服美人で、北原三枝さんはチャーミングな方のからだろう。
映画専門チャンネルの説明で、納得。
東京映画散策 ~銀幕に見る失われた昭和の風景~
幼い頃に出会った放浪画家との再会を夢見るヒロインを月丘夢路が演じる。人気風俗作家・井上友一郎の原作を川島雄三監督が映画化。50年代の銀座の風景を森繁久彌が楽しく解説する。少女時代、五郎という放浪画家に似顔絵を描いてもらった和歌子(月丘)は、彼を捜して銀座の画廊をめぐっていた。やがて2人の男が五郎だと名乗り出るが、どちらも胡散臭い。銀座の顔役で花屋を営むコニイ(三橋)は、そんな和歌子に関心を抱く。
お二人とも見たことがあるような感じがする画、何という映画だったのだろうか?
わからないので調べていると、この映画に浅岡ルリ子さんが出演されていたという。
見ていたのに、知らなかった。
こちらもわからないので調べると、若い女の子三人にうちの一人だという。
ならば、最後に花束を手渡した人か?
『銀座二十四帖』もフランス映画を思わせる構図や人物の決めポーズが多かった。
ただ、俳優さんたちはジェラール・フリップからはかけ離れたお顔立ちの方が多く、むしろ脇役の俳優さんお二人(名前がわからない)が場を盛り上げていた。
三橋達也さんがコニーと度々呼ばれていたが、わたしにはポニーと聞こえる。
北原三枝さんのポニー・テールがなびく度に、笑みが浮かぶ。
コニーという名が多く出てきて、洋風につくりたい、或は銀座を洒落たものにつくりたいといった意図が、ポニー・テール画左右に動くにつれ、見え隠れする。
銀座の昔を描いた映像から始まるこの映画。
森繁久彌さんのナレーションと歌で、気分は高まる。
昔は堀(?川か?)だったという言葉が何度か出てくる。
昔ながらの銀座の大きな変動に対する期待と不安も感じさせるこの映画は素晴らしい。
東京を知らないわたしも十分に楽しめたが、銀座の昔を知る人にとっては、懐かしい映画だろうと感じた。
↓ →
別になんてことはない 憎し 雨
大和川 soraを仰ぐ 今日も 一昨日も晴れ
さくら咲く日に 今日は挽回 巻き直し
憎し 雨 別になんてことはない
今日も 一昨日も晴れ 大和川 soraを仰ぐ
今日は挽回 巻き直し 若葉芽吹く日に
いい加減な・・・ざつごんたくんだな。
映画44; 『青の炎』
★★★★★ ★★★☆☆
監督 蜷川幸雄
原作 貴志祐介
脚本 蜷川幸雄/宮脇卓也
日本 2003 118分
キャスト
二宮一也 松浦亜弥 秋吉久美子 鈴木杏 中村梅雀 山本寛斎
『青の炎』を見てピカソの青の時代を思い浮かべたよ。
青いフィルターをかけ多様な色使い。
ピカソは親友の自殺のあと、こんな風に変化したんだ。
ピカソと鎌倉の神秘を利用して、少年の心理と行動をうまく描きあげているこの映画は、楽しめたよ。
大人になり前の少年の心の揺れや不安や怒りや自身や母からの自立との葛藤など、素晴らしい表し方だったよ。
鎌倉の切り通しが2、3度出てきたよ。こういった場合、画効果的なところだな。
最近見た映画『ツィゴイネルワイゼン』でも、鎌倉の切り通しが同様に使われ方だったな。
ただし、わたしには何処の切り通しはわからない。
ここ鎌倉の切り通しは学校(現実)と海岸や自宅(彼の意思或は妄想)との境界線なんだ。
ちなみに海岸沿いを走る彼は青春或は人生をあらわしていたよ。
嵐の二宮一也さんは、2003年の映画だから、今28歳?として、当初21歳位かな...。
【追記 4/26】現在26歳。撮影当時=2002年、19歳
かわいらしくてお顔がこどもこどもしているけど、昔からしっかりした方なんだなと驚いた。
わたしの息子と当時の彼の年齢はそんなに変わらないんだ^^
昔から彼は息子とイメージが重なって困るな。(笑)
こんなことを書けば、嵐ファンに怒られる?
それにしても秋吉久美子さんと松浦亜弥さんのかわいらしさは一体なんなの?
同性が見ても、うらやましいかわいらしさだな。
日本映画専門チャンネルより ▼
人気アイドルグループ"嵐"の二宮和也と松浦亜弥主演による青春クライム・サスペンス。原作は「黒い家」の貴志祐介によるベストセラー小説。演劇界の巨匠・蜷川幸雄が21年ぶりにメガホンをとった他、音楽を東儀秀樹が担当。また、 ファッションデザイナーとして有名な山本寛斎が義父役で登場するなど異色のキャストが話題となった。17歳の高校生・秀一(二宮)は母(秋吉)と妹(鈴木)の3人暮らしを楽しく送っていた。そんなある日、10年前に母が再婚してすぐに別れたかつての義父・曽根(山本寛斎)が転がり込み、傍若無人に振る舞って、母と妹に暴力を振るうようになる。弁護士に相談するが、法律では義父を追い出せないと知った秀一は、インターネットで情報を収集し、完ぺきな義父殺害計画を立てる。ガールフレンドの紀子(松浦)に不審に思われていたが、秀一はアリバイ工作を行い、いよいよ計画を実行する…。
記録だけ
2010年度 60冊目
『食生活改善◯◯員教育テキスト』
財団法人 ◯本食生活◯◯
207ページ 1,155円
先日 家族のため、自分のためにと軽い気持ちで申し込んだ食育・健康関係の講習で渡された 二冊のテキスト。
うち一冊の、『食生活改善◯◯員教育テキスト』を読む。
この教育及び活動はどうもボラ◯ティ◯のためのものであったらしい。
講習費二千円だと思っていたのは無料。本代のみ必要。
『食生活改善◯◯員教育テキスト』に似た『カラーグラフ 食品成分表』を何度か詠んだことがある。
『カラーグラフ 食品成分表』は娘が高校で渡されたテキストで、こちらは内容が充実している。
『食生活改善◯◯員教育テキスト』と同時に渡された『成分表』をたすと『カラーグラフ 食品成分表』のような感じ。
加えて、
社会活動
若者ではなく一般人向き
が特徴といえる。
『食生活改善◯◯員教育テキスト』では、運動の項目が役に立ちそうだ。
指導が的確だ。まずはできる運動から。
プラス1000歩、これで いくか......。
食生活改善◯◯員HPより『食生活改善◯◯員教育テキスト』説明 ▼
地域で食生活改善◯◯員の養成用のテキストです。健康づくりのための基礎知識、「健康日本21」が目標としている「健康は自分でつくる、社会がささえる」の精神に基づいた健康づくりのための◯区組織活動とボラ◯ティ◯活動のあり方などを学ぶことができます。
朝から小雨が降っています。
今は雨脚も強まり、雨音が冷ややかです。
これから益々雨は強まるようです・・・。
朔日はHakkutu-chousaのお話を聞いてまいりました。
埴輪の大きさや溝や土石流や祭儀に使用された道具などのお話が興味深かったです。
中でも赤に塗られた呪術的要素の含まれる祭儀に使用された道具の話は、民俗学を知りたいわたしには楽しい内容です。
考古学は全くわかりませんが、こういった話がまじえられる瞬間を求めて、こういった話を拝聴する感じです。
今も雨が降っています。
今は雨足はかなり強まり、雨音が残酷です。
髪を整え外出を楽しみにしていましたが、諦めました。
これで五人目、南郷力丸。 完
さてどんじりに控えしは
潮風荒き小ゆるぎの
磯慣れ松の曲がりなり
人となったる浜育ち
仁義の道も白川の
夜船へ乗り込む船盗人
波にきらめく稲妻の
白刃に脅す人殺し
背負って立たれぬ罪科は
その身に重き虎ヶ石
悪事千里というからは
どうで終いは木の空と
覚悟は予て鴫立沢
然し哀れは身に知らぬ
念仏嫌いな 南郷力丸
これで白波五人男とは暫くお別れです。
わたしは白波五人男が好きで、18代目中村勘三郎襲名披露の『白波五人男』を見るため、娘と名古屋まで出かけたことがあります。(まだブログをつくりたてで、訳あって芝居関連の記録において名詞はあえて漢字を抜いています。)
歌舞伎遠征をほとんどしたことの無いわたしにとっては珍しいことです。
『白波五人男』はわたしにとってはあたためている演目のひとつです。
最後までおつきあいいただき、心より感謝申し上げます。
『菊五郎の色気』を読んで
白波五人男の中の紳士、赤星十三郎
またその次に列なるは
以前は武家の中小姓
故主のために切取りも
鈍き刃の腰越や
砥上ヶ原に身の錆を
砥ぎなおしても抜け兼ねる
盗み心の深翠り
柳の都谷七郷
花水橋の切取りから
今牛若と名も高く
忍ぶ姿も人の目に
月影ヶ谷神輿ヶ嶽
今日ぞ命の明け方に
消ゆる間近き星月夜
その名も赤星十三郎
赤星十三郎さんが、ラーメン屋さんの屋根にいらっしゃるなんて、誰が想像できましょう・・・。
五月松竹座の團菊祭にこがれ、大人げなく大いにはしゃぎ、『菊五郎の色気』を読む。
ひょんなことから 白波五人男の花道連ねの名台詞を入れ始めた。
今は赤星。あとは南郷残すのみ(嬉)
ところで赤星さんと南郷さんのモデルとなった歌舞伎役者三がいろいろな人に見えて、検討がつかない。
赤星さんは愛之助さんにも見えますし、他の役者さんにも・・・。
一体 どなたがモデルなのでしょうか?
みなさま、おつきあい、ありがとうございます。
感謝申し上げます。
これって絶対吉右衛門さんのお顔の忠信利平 、ですよね?
浅草には吉右衛門さんのお顔の人形が二つありました^^
鼠小僧吉吉、いや、鼠小僧次郎吉です。
浅草は歌舞伎関連ものがいっぱい・・・。
ランランドリームランド、です・・・
もつ焼き屋「千代乃家」の看板によじ登った身軽な忠信利平。
皆が認める実力の持ち主ですね。
続いて次に控えしは
月の武蔵の江戸育ち
幼児の折りから手癖が悪く
抜参りからぐれだして
旅をかせぎに西国を
まわって首尾も吉野山
まぶな仕事も大峰に
足をとめたる奈良の京
碁打ちと言って寺々や
豪家へ入り込み盗んだる
金が御嶽の罪科は
蹴抜の塔の二重三重
重なる悪事に高跳びなし
後を隠せし判官の
御名前騙りの忠信利平
『菊五郎の色気』を読んで
まさに菊五郎さんのお顔の、弁天小僧菊之助^^
弁天小僧が呉服屋さんの軒で決め台詞とは!なんとおしゃれ心な東京浅草だこと・・・。
さてその次は江ノ島の
岩本院の稚児上がり
平生着慣れし振袖から
髷も島田に由比ヶ浜
打ち込む浪にしっぽりと
女に化けた美人局
油断のならぬ小娘も
小袋坂に身の破れ
悪い浮名も龍の口
土の牢へも二度三度
だんだん越える鳥居数
八幡さまの氏子にて
鎌倉無宿と肩書きも
島に育ってその名さえ
弁天小僧菊之助
『菊五郎の色気』を読んで
いやぁ!幸四郎さんじゃないですか!の、日本駄右衛門
伝法院通看板左上におあしますお方は 南郷力丸さんでありんす。
三月、日本駄右衛門見たさも手伝って、歌舞伎座御名残公演に行ったわたし。
白浪見たさに、二日通いました。
白浪五人男、百日髷の男前頭領。
大泥棒ですが、カッコいいですね。
幸四郎丈とあっては、なおさらです。
問われて名乗るもおこがましいが
生まれは遠州浜松在
十四の年から親に放れ
身の生業も白浪の
沖を越えたる夜働き
盗みはすれども非道はせず
人に情けを掛川から
金谷をかけて宿々で
義賊と噂高札に
まわる配付の盥越し
危ねぇその身の境界も
もはや四十に人間の
定めはわずか五十年
六十余州に隠れのねぇ
賊徒の首領 日本駄右衛門
『菊五郎の色気』を読んで
『青砥縞花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ) 浜松屋』
知らざぁ言って聞かせやしょう
浜の真砂と五右衛門が 歌に残した盗人の
種は尽きねぇ七里が浜 その白浪の夜ばたらき
以前を言やぁ江の島で 年季勤めの児が淵
百味講で散らす蒔銭を あてに小皿の一文子
百や二百と賽銭のくす銭せぇ だんだんに
悪事はのぼる上の宮 岩本院で講中の
枕捜しもたび重なり お手長講の札付に
とうとう島を追い出され それから若衆の美人局
ここやかしこの寺島で 小耳に聞いた祖父さんの
似ぬ声色でゆすりたかり
名せぇ由縁の弁天小僧菊之助たぁ俺がことだ
『菊五郎の色気』を読んで
( 写真は東京 浅草
「弁天小僧菊之助たぁ、俺がことだぁ」
と聞こえてきそうな感じ・・・。 )
記録だけ
2010年度 59冊目
『菊五郎の色気』
文春新書
長谷部 浩 著
278ページ 1000円
2007年06月20日 第1版
五月、大阪の松竹座で團菊祭にちなんで、『菊五郎の色気』を読む。
菊五郎丈の魅力が連ねられる中、役者菊五郎さんの芝居に対する姿勢が興味深い。
こういった種類の本では、この芝居のここはこういう風に考え演じるといった役者の考えに触れるのは、どの本を読んでいても楽しいものだ。
『弁天小僧』『髪結新三』『銘木先代萩』『吉野山』『NINAGAWA 十二夜』『仮名手本忠臣蔵 六段』の解説は納得がいく部分もあり、面白かった。
七代目菊五郎丈の演じ方は「がさつだ」「◯◯演劇役者のようだ」ということを昔はいわれたこともあった。
しかし彼の演技は「徹底的に楽します」演目(演じ方)と「徹底的に感じさせる」演目(演じ方)の両方を表現できる役者である。
舞台に立った瞬間、彼のまわりには後光がさす。
花のある役者の一人だと感じる。
著者はそういった役者のために生まれてきたような菊五郎丈を『菊五郎の色気』といった言葉で表している。
今年三月、歌舞伎座で『弁天小僧』を観た。
そのときふと、昔の額の傷の描き方が懐かしいと感じていたわたしがいた。
本書にはわたしの知らない5代目のそれが載っていた。
眉間の傷が目だつように、懐紙で口紅の色を抑えたという。
懐紙にうつった紅は、額からにじんだ額の地として表現されたという。
わたしは昔見たものは、耳の後ろ方さっと額に描き、素早く懐紙で指を吹き、地を表現したものだった。
ここ数年で考えても 何人かの『弁天小僧』を見た。
しかし、その実、どうだったのだろう。
見逃していたのか・・・。
『弁天小僧』を見る際、上における役者の表現法の違いを、今後の観察の課題におきたい。
菊五郎丈から話は離れるが、著者 長谷部浩さんの記された『仮名手本忠臣蔵 六段』解説とはまた違った解釈の書を読んだことがある。
個々ではあえて詳細は省きたい。
もちろん 本書では役者がどう考え演じているかを大切にしたためられたものであることは把握している。
芝居ひとつでも、何処に重きを置き、どこにおかしみや味わいを求めるかは、見巧者とて違うのだと思うとおかしく感じる。
こういった本を読む楽しみ方のひとつといえよう・・・。
歌舞伎役者関係本『菊五郎の色気』を読み始める。
そこには、演目『文七元結』が記されている。
『文七元結』なら知っているよ。
池袋演芸場で三笑亭茶楽さんの『文七元結』を聞いたことがある。
歌舞伎にもなっていたんだ!と、歌舞伎知らずのわたし。
早速本棚から『歌舞伎名作事典』を取り出して繰ってみると、確かに『文七元結』はあった。
【円朝の人情噺】云々から始まって、<あらすじ>が解説されていた。
面白そうだ。
三笑亭茶楽さんの話術で楽しんだ『文七元結』が、歌舞伎になればどうなるのだろうか?
内容から考えると、芝居には脚色しやすそうだ。
同じく池袋演芸場で聞いた三笑亭茶楽さん『芝浜』
この『芝浜』も歌舞伎演目になっているらしい。
だが、『歌舞伎名作事典』には載ってなかった。
残念!