そのままVon

おもに31文字の語呂合わせ日記

朝日歌壇賞四首

2011年01月10日 | 日めくり帖
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「めえめえと運動場でなきながら山羊お産せり早雲山麓(馬場選・アメリカ・古田パーキンス和子)」
「あからひく朝の路上に甘き香の近江屋洋菓子店のトラック(佐々木選・東京・白石瑞紀)」
「六二三、八六八九八一五、五三に繋げ我ら今生く(高野選・岸和田・西野防人)」
「埋まらない志望動機を満月に照らされている まだ眠れない(永田選・鴻巣市・一戸詩帆)」

「年間を通じて採れる一席を紙上で見るが揺れはそこそこ()」
「永田選詩帆ちゃんの歌われはよし贅沢言えぬ彼女等哀し()」
「短歌とはスグレモノなり言葉もつ瞬発力でイメージ喚起
(『相当に複雑な情報や感情を伝えうる作用を持つスグレモノ』編集者の弁)」
「今年からいい歌拾い記録して少し覚える営みをせむ()」
「つぎの歌双子の姉弟つくりたる歌であるらし喜び拾う(小学二年)」
「弟にぜったいかちたいせいくらべしんこきゅうしてせすじをのばす(笠間市・高野花緒)」
「おねえちゃんじゃんけんかったのぼくなのにないたらずるいおむちゃのとり合い(笠間市・高野真気)」
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万葉集〈紀伊国行幸3 〉#9.1675-9.1679

2011年01月10日 |  / 万葉集
1/10
「藤白の御坂を越ゆと白たへの我が衣手は濡れにけるかも(紀伊御幸の歌9/13首 #9.1675)」
「藤白の御坂を越えんと白服の衣の裾が濡れてしまった()」

「勢セの山に黄葉モミチ散り敷く神岳の山の黄葉は今日か散るらむ(紀伊御幸の歌10/13首 #9.1676)」
「勢セの山の黄葉モミチ散り敷く神岳の黄葉も今は散るのだろうか()」

「大和には聞こえもゆくか大家野オホヤヌの小竹葉ササ刈り敷き廬せりとは(紀伊御幸の歌11/13首 #9.1677)」
「大和では知っているのか大家野オホヤヌの竹葉ササハを敷いて仮寝すること()」

「紀の国の昔弓雄サツヲの響矢カブラもち鹿カ取り靡けし坂の上ヘにそある(紀伊御幸の歌12/13首 #9.1678)」
「紀の国で昔弓雄サツヲの響矢カブラで鹿狩りをした坂の上ヘなんだ()」


「紀の国にやまず通はむ都麻ツマの杜妻寄し来コせね妻と言ひながら(紀伊御幸の歌13/13首 #9.1679)」
「紀の国にたえず通おう都麻ツマの杜妻は来ないよ妻と言ひつつ()」
「坂上サカノウエ忌寸人長イミキヒトナガ独身か嫁が欲しいと都麻ツマの峠で(右ノ一首、或ヒト云ク、坂上忌寸人長ガ作。)」
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