沖縄…蒸し暑すぎて自分からカビが生えそうです…
今週はずっと湿気でじめじめじとじとで気持ち悪いったらありゃしない
昨日は25度。夜の最低気温でも21度。
昨日の夜は半そではもちろん、扇風機もほしいくらいでした。
昨夜、ショクバの有志で名護の夜桜を見に行ったけど、
見事に葉桜になっておりました(笑)サクランボ間近!
結果、夜景とドライブと、おいしいラーメンを楽しみました。
夜桜は堪能できなかったけど、遠足みたいで楽しかったな
さて、識名園を舞台にしたテンペスト行脚、その2です。
■識名園■
↑識名園の正門ではなく通用口。南苑構主取になった寧温君はここから識名園に入った…かも。
庭園で仕事をする男を見つけた寧温が声をかけた。
「あの、本日付けで南苑構主取になりました孫寧温でございます。
どうかお見知りおきを」
「ああ、聞いているよ。
凄腕の評定所筆者様がおいでになるから失礼のないようにと」
どこかで聞いた声だと腰を屈めた老人の顔を覗いた寧温があっと声をあげた。
「麻真譲先生ではありませんか!なぜ識名園に?」
真親方はこれも余生のひとつと茶目っ気たっぷりに笑って、
池の六角堂で茶を勧めた。
「寧温、そなたの留まることを知らぬ辣腕は聞いておるぞ。
ついに馬親方に打たれてしまったようだな。
だからあれほど気をつけろと言い聞かせたはずだったのに。
わはははは」
「失礼な。ちょっと油断しただけです。」
恩師に馬鹿にされて頭にきた寧温は茶菓子の花ぼうるにかぶりついた。
「政治の中枢から南苑構主取まで落とされた役人もお前が初めてだ。
いやあ愉快。人生を三回くらいやっているようなものだ。
未曾有の醍醐味だな。わはははは」
快活に笑う麻親方の声を聞いていると泣きたい気分も吹き飛んで、
むしろ怒りが沸いてくる。
「どうせ私は、不器用で、融通の利かない弟子ですよ。
王宮の身すぎ世すぎを教えなかった破天塾の失態です。
私の左遷は麻親方の教育がなっていなかったせいです!」
「これは一本取られたかな?
恩師のせいにするとはすばらしい弟子だ。わはははは。
あのスカした優等生の孫寧温が南苑構主取?
雑草抜きの役人か。わはははは」
「なんか面白くありません。絶対に雑草抜きなんかしてやるものですか。
麻先生がお似合いです」
麻親方が噎びながら手を伸ばした茶菓子を奪って丸ごと頬張った。
今日は王宮を追いだされるわ、
麻親方にからかわれるわで踏んだり蹴ったりだ。
「テンペスト(上) 300-」より 池上永一著/角川書店
ねー。
漫画っぽいでしょう?テンペスト。
この間、たまたまテンペストのレビューを書いたブログで
軽すぎる。これは文学じゃない。
ってのを読んだけど…。
…そうね。正統派歴史文学として期待して読んだらダメかも。
(だってコレ、もともとは雑誌で連載してたものですからね。
読者が飽きないように、その回ごとに見所を入れるようにしたって筆者も言ってますし)
前々から書いていますが、
あくまでもエンターテイメント小説として楽しんで読んでください
所々ツっこみどころもありますが(笑)
エンターテイメントのご愛嬌ってことで流してください(笑)
あ、もちろん、史実を元にしたフィクションエンターテイメントなんで
楽しみながら幕末の琉球史についても興味が湧くというネ。
これで琉球や首里城に少しでも興味をもってもらえるなら、
十分ですよ、それでも
あ、そうそう。
ちなみに↑のときの寧温君、だいたい17・18歳くらいです。
前記事の琉米修好条約のときは27歳くらい。
テンペストはいつの間にか主人公たちが年をとっていくので、
2回目に読んだときにそこを気をつけて読んで一覧にしてみたら
大体こんな結果となりました(笑)
ところで識名園。
識名園については過去記事に書いてありますが、
中国からの冊封使をもてなすための迎賓館です。
どこから見てもすぐに海が見える島国琉球ですが、
海が見えないように、どこまでも続く広い国土を思わせるように
設計されていると言われています。
池も、こうやって見てみると首里城の龍潭池に雰囲気が似てます。
琉球王国の施設は風水を元に厳密に設計されていらしいですからネ。
首里城からちょっと離れたところにありますが
(歩いては行けない…かな)
こちらも世界遺産の1つなので、機会がありましたら是非足を運んでみてください。
イモリもいます。