がじゅまるの樹の下で。

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あの鳳凰木

2010年02月16日 | ・『テンペスト』徒然

テンペスト行脚~識名園②~のコメント欄でいただいた、
フミさんからの質問。

>質問なんですが、真鶴と雅博が出逢った鳳凰木はどこにあるんでしょうか?

ん?

「ここ」っていう記述はあったっけ?

 

早速調べてみる。

真鶴さんと雅博が最初に出会ったのは上巻の後半。

寧温君がヤツに招待を暴かれて、
辞職し、身を潜めるために真鶴の姿に戻ったトコロ。

ってすぐ出るあたり、だてに6回も読んでるだけあるでしょう?(笑)

 

御仮屋で身を寄せて数日が過ぎたある日、
雅博は王宮の東苑で組踊を観劇しないかと誘った。

(中略)

「私が『新・執心鐘入』を書きます。退治されるのは若松のほうです!」

真鶴が鼻息を荒げて東苑を後にした。

意気軒昂になっていく真鶴に雅博はたじたじだ。
こんな人をどこかで見たことがある。
雅博が満開の鳳凰木の木陰に休憩を誘う。

(361&363-)

 

まず、組踊「執心鐘入」を見たのは「東苑」との記述。

東苑を調べてみると、東苑とは御茶屋御殿の異称。

現存はしていなくて、今の首里カトリック教会のところにあたる。

この御茶屋御殿、首里城公園の敷地内ではない。
ちょっと離れた場所にある。

 

んで、捜索のヒントとなる記述をもうひとつ。

雅博からの求婚に対して、その返事をしに向かう途中、
王府からの高札を見つけて、再び寧温が眼を覚ます。

 

鳳凰木へと向かう途中、
綾門大道の高札に王府からの布令が発布されているのを見つけた。

(中略)

『龍の子よ。王宮に戻って琉球を守りなさい』

真鶴は遠くに鳳凰木の赤い花が咲き乱れているのを見つめた。
そこに人影が立っているのも見える。

「真鶴、寧温、私は今、誰になればいいの?」

高札と鳳凰木の間で何度も揺れる真鶴だった

(367-)

 

ふむふむ。

綾門大道(の高札)と鳳凰木の距離感はこの程度なのね。

 

で、結論。

東苑(御茶屋御殿)の帰り道、
綾門大道の高札、
そこから見える鳳凰木、

この3つを考えると、該当する鳳凰木は……

 

 

 

たぶん、

 

 

 

ない。

 

 

フミさんごめんなさい

 

っていうか、東苑⇔綾門大道がまずつながらない(笑)

まー、東苑から綾門大道まで戻ってきていた、と考えればつながるけど。
でも話の流れから見るとそんなに長い距離歩いてない感じだし。

 

でも、たぶん池上さんがモデルとしたのは
首里城から琉譚池に下りるところの原っぱにある鳳凰木かなーと。

ナゼナラバ。
連載してた雑誌のテンペスト特集で、池上さんが鳳凰木の下で座ってる写真が載ってるけど、
たぶんこの鳳凰木はそこの木だと思う。たぶん。

 

ひっぱった割にはたいした情報ではないという、ね

確かめに、また首里界隈、行きたくなりました。
(東苑跡地にも行ってみようか)

 

↓東苑跡地(現首里カトリック教会)。地図の上で操作可能です。上に首里城公園、下に識名園があります。

コメント (4)
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寒い日は、

2010年02月16日 | ・徒然日記
今日はとっても寒いので、
突発的にもつ鍋を食べにきました

フミさん、
テンペストの鳳凰木の話はもうちょっと待っててくださいね
コメント (2)
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