テンペスト行脚~識名園②~のコメント欄でいただいた、
フミさんからの質問。
>質問なんですが、真鶴と雅博が出逢った鳳凰木はどこにあるんでしょうか?
ん?
「ここ」っていう記述はあったっけ?
早速調べてみる。
真鶴さんと雅博が最初に出会ったのは上巻の後半。
寧温君がヤツに招待を暴かれて、
辞職し、身を潜めるために真鶴の姿に戻ったトコロ。
ってすぐ出るあたり、だてに6回も読んでるだけあるでしょう?(笑)
御仮屋で身を寄せて数日が過ぎたある日、
雅博は王宮の東苑で組踊を観劇しないかと誘った。
(中略)
「私が『新・執心鐘入』を書きます。退治されるのは若松のほうです!」
真鶴が鼻息を荒げて東苑を後にした。
意気軒昂になっていく真鶴に雅博はたじたじだ。
こんな人をどこかで見たことがある。
雅博が満開の鳳凰木の木陰に休憩を誘う。
(361&363-)
まず、組踊「執心鐘入」を見たのは「東苑」との記述。
東苑を調べてみると、東苑とは御茶屋御殿の異称。
現存はしていなくて、今の首里カトリック教会のところにあたる。
この御茶屋御殿、首里城公園の敷地内ではない。
ちょっと離れた場所にある。
んで、捜索のヒントとなる記述をもうひとつ。
雅博からの求婚に対して、その返事をしに向かう途中、
王府からの高札を見つけて、再び寧温が眼を覚ます。
鳳凰木へと向かう途中、
綾門大道の高札に王府からの布令が発布されているのを見つけた。
(中略)
『龍の子よ。王宮に戻って琉球を守りなさい』
真鶴は遠くに鳳凰木の赤い花が咲き乱れているのを見つめた。
そこに人影が立っているのも見える。
「真鶴、寧温、私は今、誰になればいいの?」
高札と鳳凰木の間で何度も揺れる真鶴だった
(367-)
ふむふむ。
綾門大道(の高札)と鳳凰木の距離感はこの程度なのね。
で、結論。
東苑(御茶屋御殿)の帰り道、
綾門大道の高札、
そこから見える鳳凰木、
この3つを考えると、該当する鳳凰木は……
たぶん、
ない。
フミさんごめんなさい
っていうか、東苑⇔綾門大道がまずつながらない(笑)
まー、東苑から綾門大道まで戻ってきていた、と考えればつながるけど。
でも話の流れから見るとそんなに長い距離歩いてない感じだし。
でも、たぶん池上さんがモデルとしたのは
首里城から琉譚池に下りるところの原っぱにある鳳凰木かなーと。
ナゼナラバ。
連載してた雑誌のテンペスト特集で、池上さんが鳳凰木の下で座ってる写真が載ってるけど、
たぶんこの鳳凰木はそこの木だと思う。たぶん。
ひっぱった割にはたいした情報ではないという、ね
確かめに、また首里界隈、行きたくなりました。
(東苑跡地にも行ってみようか)
↓東苑跡地(現首里カトリック教会)。地図の上で操作可能です。上に首里城公園、下に識名園があります。