『琉球史の女性たち』
岡田正雄著(新星出版/2004)
借りた時は気付かなかったけど、
著者の岡田さんはワタシのベストブック『百十踏揚』の著者、
与並岳生さんと同一人物です。
正史にはなかなか残らない女性たちにスポットをあてて
伝承などを中心に人物別に紹介してあります。
あとがきに書いてありましたが
「女性史」ではなく物語を中心にしたものということなので
エピソード豊富でとても読みやすい1冊です
ピックアップされている女性は
百十踏揚、吉屋チル、恩納ナビ、鬼虎の娘、
サンアイイソバ、マボナリ、マイツバ・クツバ、マムヤ、
そして「王宮の女たち」として
西威王の母、尚徳王の母、オギヤカ、華后、尚貞王の側室、蔡温の母
…と、先島の女性たちも網羅してます。
(というか、女性についての言い伝えや歌は先島に多いらしい)
個人的には恩納ナビが面白かったかな。
こちらは恩納村のマスコッにもなってるト「ナビーちゃん」
(かなり昔からあるよ)
若くてハツラツとして
かわいらしいイメージがあるナビーですが、
実は……というもの(笑)
尚敬王(あるいは尚穆王)が北山巡行で万座毛を訪れた時に
ナビーが国王を迎えて歌ったとされる歌。
(↑は万座毛の入口に書かれているものです)
この本によると、ナビーが国王を迎える立場にあった
つまり女たちのリーダー格であり
それなりの年齢にあったであろうこと、
そして臼太鼓で王を迎えたというので
ナビーは村の神女(のリーダー)であったのでは
と。
確かに普通の百姓の小娘が国王に謁見し
歌をささげることなど普通ならないだろうしね。
神女で、リーダー格で、それなりのお歳、普段は百姓女、
そしてダイナミックで開放的な歌、
ナビーは意外と肝っ玉母ちゃん的な感じだったのでしょうか!?
ちょっと今までイメージしてなかったナビー像だったので
(他にも「え!そうなの?」エピソード満載(苦笑))
そう考えるとまたちょっとナビーが身近になる
そんな本です