帰れない覚悟はできていた。
仕事の依頼を受け終了予定時刻は、
帰宅するための最終電車の時間を軽く超えていた。
駅近くに24時間あいているファミレスでもあるだろうと軽く考えていた。
ものの数時間さ。
帰りの電車のルートは1度乗り換えがある。
乗り換え場所までは2駅分だ。
それぐらいなら歩けるだろう。
始発までの時間はたっぷりあるわけだしな。
それが、そもそもの過ちのはじまりだった・・・
仕事の大きな荷物を背中に背負い、
前にも斜めにかけて歩き始めた。
知り合いの名前のお店を見つけ、
友人のあだ名の居酒屋を見つけ、
知り合いの名前の住所を見つけ、
街灯の下で寝転ぶ猫を見つけ、
スマホで写真を撮りながら、楽しく進んでいった。
しかし、歩けど駅は見えてこない。
前にも後ろにも荷物を抱えていることもあり、
汗だくになっていった。
闇夜に光るコンビニに吸い寄せられる。
まるで、昆虫のように・・・
甘い甘いアイスに引き寄せられる。
そう、まるで、昆虫のように・・・
棒付きアイスをチョイス。
これなら歩きながらでも食べられる。
夜だがなかなかの暑さだ。
アイスが溶けるスピードも早い。
全部食べ終え、ふとシャツを見ると、
べっとりチョコアイスがついていた。
悲惨な状況である。
泣くになけない。
「汗が目に入っただけさ」
1人さびしく呟いてみる。
電車でなら2駅分で6分ぐらいだったはずだ・・・
歩けども、歩けども、駅は見えてこない。
結局、一駅目に着いたときには、
歩きはじめて1時間以上が経過していた。
しかしだ、
もう1駅分歩かなければいけない・・・
こうなれば、もう意地である。
ここで諦めては、今までの1時間が徒労に終わってしまう。
幸いにも、次の1駅分は距離が短めだ。
(短めなはずだ・・・)
仕事の時以上に、神経をすり減らしているような気がしてきたが、
そんな悲しき事実には目を背け、足を前に踏み出した。
途中、自分が何のために歩いているのかわからなくなっていた。
だが、しかし、自分で決めたことだ。
やり抜くのみだろ。
理由なんてのは、あるようで、ないことだってたくさんあるんだ。
仕事の依頼を受け終了予定時刻は、
帰宅するための最終電車の時間を軽く超えていた。
駅近くに24時間あいているファミレスでもあるだろうと軽く考えていた。
ものの数時間さ。
帰りの電車のルートは1度乗り換えがある。
乗り換え場所までは2駅分だ。
それぐらいなら歩けるだろう。
始発までの時間はたっぷりあるわけだしな。
それが、そもそもの過ちのはじまりだった・・・
仕事の大きな荷物を背中に背負い、
前にも斜めにかけて歩き始めた。
知り合いの名前のお店を見つけ、
友人のあだ名の居酒屋を見つけ、
知り合いの名前の住所を見つけ、
街灯の下で寝転ぶ猫を見つけ、
スマホで写真を撮りながら、楽しく進んでいった。
しかし、歩けど駅は見えてこない。
前にも後ろにも荷物を抱えていることもあり、
汗だくになっていった。
闇夜に光るコンビニに吸い寄せられる。
まるで、昆虫のように・・・
甘い甘いアイスに引き寄せられる。
そう、まるで、昆虫のように・・・
棒付きアイスをチョイス。
これなら歩きながらでも食べられる。
夜だがなかなかの暑さだ。
アイスが溶けるスピードも早い。
全部食べ終え、ふとシャツを見ると、
べっとりチョコアイスがついていた。
悲惨な状況である。
泣くになけない。
「汗が目に入っただけさ」
1人さびしく呟いてみる。
電車でなら2駅分で6分ぐらいだったはずだ・・・
歩けども、歩けども、駅は見えてこない。
結局、一駅目に着いたときには、
歩きはじめて1時間以上が経過していた。
しかしだ、
もう1駅分歩かなければいけない・・・
こうなれば、もう意地である。
ここで諦めては、今までの1時間が徒労に終わってしまう。
幸いにも、次の1駅分は距離が短めだ。
(短めなはずだ・・・)
仕事の時以上に、神経をすり減らしているような気がしてきたが、
そんな悲しき事実には目を背け、足を前に踏み出した。
途中、自分が何のために歩いているのかわからなくなっていた。
だが、しかし、自分で決めたことだ。
やり抜くのみだろ。
理由なんてのは、あるようで、ないことだってたくさんあるんだ。