冬になって、葉が落葉すると樹木の同定って、難しいですよね。
冬でも樹木を同定したい!、冬でも樹木観察を楽しみたい!、と思ったら、冬芽(とうが)の観察がオススメです。
冬芽とは、「休眠芽(きゅうみんが)」ともいい、冬の寒さに備え、次の春に開く葉や花の芽を寒さや乾燥から守るために作られます。
春になって、無事に葉が開き、花の蕾がふくらむと、冬芽は脱落します。
冬芽にも色々なタイプがあります。
①芽鱗(がりん)を持つタイプの「鱗芽(りんが)」。
②芽鱗をもたないタイプの「裸芽(らが)」。
③芽鱗の表面に蝋質や油肥を被うタイプ。
④冬芽の全部または一部を葉痕の中に隠すタイプの「陰芽(いんが)」。
①「鱗芽」
樹種によって、覆われる芽鱗の枚数が違います。
アラカシ、シラカシ、コナラなどの樹木は、多数の芽鱗に覆われています。
アラカシの冬芽。
パッと見た、海にある”亀の手”に似ていません?
クスノキの冬芽。
シラカシの冬芽。
コナラの冬芽。
ヒメシャラの冬芽。
イロハモミジ、ホオノキ、ネジキなどは2枚、タラノキは3~4枚の芽鱗に覆われています。
ネジキの冬芽。
イロハモミジの冬芽。
イロハモミジは、葉っぱが対になって生える「対生」なので、冬芽も対生になっています。
寄り添い合う感じで、可愛らしい冬芽ですよね。
②裸芽
このタイプは、アカメガシワ、ムラサキシキブ、オニグルミ、サンショウなどの樹種です。
身包みをはがされた冬芽って感じで、寒そうだなと同情します(^_^;)。
アカメガシワの冬芽。
実際の冬芽をよーく観察すると、アカメガシワの葉っぱの特徴が窺えます。
是非、ご自身の目で、ご確認下さい!
オニグルミの冬芽。
冬芽の下にあるのは葉痕(ようこん)といって、葉があった痕です。
③の蝋質や油肥に覆われる樹種はトチノキなどで、テカテカしています。
トチノキの冬芽。
触ると粘つきます。
しかし、触るのは、木にとって、あまり良くありません。
でも、粘つくので触りたくなります。
触りたいと思ったら、やさしく触ってくださいネ。
⑤「陰芽」
ネムノキやニセアカシアなどの冬芽がこのタイプです。
冬芽観察の番外編。
時々シャクトリムシなど冬を過ごしている虫たちにも出会えます(^o^)。
冬芽の観察は、冬しか出来ません!
ちょっと寒いけど、冬芽を観察するため、樹木を巡ってみては如何でしょうか。
※2016年1月の記事を改編
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