女性彫り師の話を聞く機会があった。
酒の席だったので、
残念ながら大半は失念してしまったが、
かろうじて覚えていることをメモしておく。
刺青を入れるとき、
特に痛いのは、
柔らかい場所や骨が皮膚のすぐ下にある部位だそうだ。
彼女の師匠曰く、
「尾てい骨のところが一番痛い」
場所によって、
刺青がのりにくかったり、
あるいはすぐに褪せてしまうという。
たとえば、ひじのようによく動く場所は、
すぐに色褪せてしまう。
粘膜も刺青がのりにくい。
彼女は客の唇の裏側に刺青を入れたことがあるが、
その時は3回彫って、
ようやく刺青らしくなったそうだ。
唇の裏側に刺青とはなんとも痛そうな話だが、
そんなに痛い思いをしても、
刺青自体はそんなにもたないらしい。
若い頃、
下手な彫り師に彫られた刺青を直してほしい、
そう頼んでくる人もいる。
ある老人は、
若い頃、ペニスの先に蛇の刺青を入れたのだが、
これがどうにもこうにも蝿にしか見えない。
(どういうデザインなんだろう?)
それで、ちゃんと蛇に見えるよう彫り直してほしいと頼んできたそうだ。