大切な品を運ぶ

2011年02月01日 08時24分14秒 | ドラマのかけら

バブル末期に、
ある会社に勤めていた女性から聞いた話だ。

入社1年目の夏、
同僚の女性とタイへの出張を命じられた。

業務の内容は、
「タイである品物を受け取り、
 それを日本に持って帰ってくる」
それだけ。
なんでも非常に大切なものなので、
航空便は使えないから、ということだった。

いろいろと疑問が浮かんだものの、
ただでタイに行けるということで、
彼女は喜んで出張に出かけた。

タイで過ごした2日か3日は、
仕事というより観光だった。
かなりランクのいいホテルに泊まり、
ガイド付きで街を回った。

そして最終日に「大切な品」を預かった。

日本に帰国すると、
彼女はその「大切な品」を指定された場所へと届けた。

議員会館だった。

その「大切な品」が何かわからない。

20年近く前の、ちょっとあやしい話だ。