こんな夢を見た。
実家にいる。
誰かが訪ねてきた気配がする。
玄関を開けると、
そこに亡くなった母親がいた。
僕が幼い頃の、まだ三十代の母親だ。
「もう亡くっているのに何故?」
と僕が驚いていると、
「なんでそんな顔をするの?」
と笑う。
母親の背後に痩せた若い男がいる。
その姿を見た瞬間、
「この女は僕の母親のそっくりさんで、
僕のことを騙そうとしているんだ」
と悟る。
夢の中の僕は現実と違い腕っ節が強いようで、
男の首根っこを捕まえると、
実家の前の通りまで引きずりだし、
「お前、同じこといろいろな所でやってるんだ!」
と責める。
と、ここで夢から覚める。
しかし、実はまだ夢の中だ。
夢から覚めた夢を見ただけ。
やけに鮮明の覚えていたその夢を、
夢の中で知人に話す。
話し始めると、
夢の内容が映像でプレイバックされる。
再び同じ夢を見ているような感覚。
覚えているのはここまでだ。
今までに見たことのない不思議な夢だった。