新橋の地下街。
8人も入れば満員のカウンターだけの店。
ランチタイムにはいつもビジネスマンの行列が出来ている。
先日、ランチの閉店間際に初めて入った。
カウンターの一番端にその男はいた。
やけに四角い顔。
頭は短いくせ毛。
男の食事の仕方が独特だった。
まず顔を上に向ける。ほぼ真上を向くに近い。
その状態で口を開け、箸に山盛りのご飯を口の中に放り込む。
そして頬を大きく動かしながら、もぐもぐもぐと噛む。
合間におかずの焼き魚と味噌汁が加わるが、
ご飯の食べ方は変わらない。
上を向き、
口を開け、
ご飯を口に放り込み、
もぐもぐもぐ。
あっという間に丼飯を平らげて、お代わりをしていた。
風貌といい行動といい、昭和の喜劇映画に出てきそうな男だった。