がんの「民間療法」や「代替療法」をやってみて、
後で選択を誤ったと当事者(家族も含む)が、
振り返って記している書籍や文章はあるのだろうか。
うさん臭い成功例はいっぱいあるし、
医療関係者の批判もいっぱいあるが、
当事者たちのこの手の声を、僕は見たことがない。
(結果はどうあれ、自分の選択を後悔していない、
という声は散見するけど)
この話をしたら、がん経験者から、
「QOLのために代替療法を選ぶケースもある」
と教えられた。
それで思い出したのは、忌野清志郎だ。
彼も標準治療を受けると歌えなくなってしまうからと、
代替療法を選んだ。
彼の場合、歌えなくなったら死んだも同じ、
という考えだったのだろう。
この場合、代替療法を選んだことは誤りとは言い難い。
でも清志郎みたいなケースは稀だ。
あやしげな民間療法/代替療法はたくさんある。
それを信じ、結果的に内心後悔している人はいると思う。
ただ、その後悔を口にする人は少ない。
(気持ちはわかるけど)
どんなことも成功例/失敗例の両方があって、
正しい判断ができる。
民間療法/代替療法に関しては、
今のところ、成功例/失敗例の数が不均衡だ。
次の誰かの(それは僕自身かもしれない)、
判断の材料として、
選択を誤ったという声がもっと世に出てくれたらと思う。