山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

坂折棚田とインドネシアの棚田

2009-01-15 | 山里
先日スラウェシ島に住んでいる日本人の方と、バリ島の本を書いたことがある編集者の方と一緒に坂折棚田と栃窪を訪れたところ、いろいろ紹介してくれました。↓

http://makassar-tokyo.blogspot.com/2009/01/blog-post_12.html

とても寒い日でしたが、棚田のまちこさんはちゃんと犬の散歩をしていました。

環境意識と日本とアジア

2009-01-15 | なんとなく報告
アジアのさまざまな国から、日本に働きに来たり、勉強しに来たりしている人がいる。その人たちは、環境について、日本のいいところを持って帰ってくれるだろうか。一方で、日本を反面教師として、その人たちの国のいいところに気が付いて、それを大切に思ってくれるだろうか。

1月17日の5カ国の留学生達が環境問題を語るシンポジウム(1/14の記事で掲載)は、留学生達がその環境問題に対しどのぐらいの実感と体験や知識を持っているか不明なので、行ってみなければ分からないが、テレビで報道される情報よりは、そのことに対する彼らの認識を伺うことができるはずで、興味深い。
今回に限らず、このような催しを日本でもっとひんぱんに行い、環境を日本という島の中だけでなくもっと広い範囲で考え、日本という場で偶然つながった海外の人にも伝わるようなことをしていくことが、日本の草の根でできる貢献であろう。

島と島、陸と陸は海で繋がっている。世界は一つで切れ目はないことを実感する。

環境意識とインドネシアと日本 その2

2009-01-15 | なんとなく報告
スラウェシ島の山奥を、2人のインドネシア人と旅していた。
一人は外人慣れしたガイド、もう一人は彼の親戚で、現地を所管している行政の若者。ジャングルの中の川辺でジュースを飲んで休憩していたら、行政ヤングマンが、空パックをポイっと流れ行く川の面に投げ捨ててしまった。
私はびっくりして反射的に「あ~~っ! だめー~~!」てな感じで叫んだら、行政ヤングマンは理由が分からないのだった。
ガイドが(多分)「外人はゴミ捨てないんだよ、山の中にゴミ捨てるのは野蛮だよ」みたいに説明すると、素直な彼は「ごめんなさい」」と照れながら言った。

行政マンでさえ、山の中や流れる川にジュースのパックを捨てるのがよくないとは思っていないのである。
しかしながら、「捨てないほうがいいかも……」てことは少なくとも1人に伝わったことになる。


フェリーに乗っていたら、空のペットボトルが甲板で、ころころ、ころころ、船が揺れるたびにころがっていた。次に大きく揺れれば、海に落下しそうだった。
船だろうとバスだろうと、インドネシア人は容赦なく床にゴミを捨てる。彼らにとって、床や路上は「ごみ箱」と同義である。
前に子どもが海にペットボトルを投げ捨てるのを阻止しそこなったことが、私の中ででっか~いトゲとなって突き刺さっていたので、私はそっとそのペットボトルを拾ってごみ箱に入れた。
そうしたら、少し離れたところから私を見て、ほっとしたようにニコッと笑いかけてくれたインドネシア人がいたのである。
私と同じように、ペットボトルが海に落下することを案じていたらしい。

大多数のインドネシア人が海にビニール袋を捨てることを何とも思っていなくても、そうではない人がちゃんといることに救われた。

環境意識とインドネシアと日本 その1

2009-01-15 | 植物利用
私の住む中津川市や隣の恵那市では、スーパーのレジ袋が有料化され(1枚5円)、買い物袋持参があっという間に定着した。
かくいう私は大人になる前(20年以上前!)からスーパーに袋を持参していたので影響はあまりないが、みんなが袋を持っている様子を見ていると、あたかもずっと昔からそうであったかのようで、何の違和感もないことに驚く。
たった5円であっても、こんなにも世の中を大きく動かすことができることにも驚く。

私がレジ袋をもらわないようにしていた理由は以下のとおりである。
①資源の無駄遣いである
②レジ袋はかっこ悪い(美しくない)し、音もうるさい
③レジ袋をもらうと、レジ袋を始末するという手間が発生するのがいやだし時間と場所の無駄が生じる(レジ袋を片付けたり捨てたり……ゴミも増える)

しかしながら、インドネシアでは、買い物をするたびに黒いペラペラのビニール袋に入れてもらえる(もちろん極力もらわないようにするが)。その袋は非常に弱くちょっと重いものを入れたり引っ張ったりするとすぐ破れてしまい再利用できない場合も多い。
そして、彼らは、その袋を、要らなくなると、ポイっと、道端であろうと川であろうと海であろうと山であろうと、捨ててしまう。

一方で、インドネシアではまだまだ「葉で包む」ことが実践されている。
写真は、小さな屋台のテイクアウト・ランチ。ご飯とおかずをバナナの葉で包んで、竹を細く割った串で端を止めるてある。このときのおかずは、厚揚げの煮物とおでんのゆで卵みたいなもの。
バナナの葉は本当によく使われている。

日本でも昔はビニールなどなかったから、朴葉や竹の皮や経木(マツの薄い板)なんかで包んでいた。風呂敷というゆかしきものもあった。
その後、レジ袋時代を経て、袋持参時代になり、少し昔に戻っているともいえる。
環境意識も文化も、どんどん進むとくるっと回ってもとの位置に戻るような気がする。そうしてビニールを使っているインドネシアの方が、今は前のほうに取り残され、遠いところを歩いている。一方葉で包んでいるインドネシアは、昔のままであるのに、日本がこれから目指す先にある。
日本でも再び葉で包むようになることを私は夢見ている。