先日、和歌山県印南町(いなみちょう)に行く機会を得ました。
南高梅で有名な南部町の北隣で、海あり山あり、気候が温暖な天国みたいなところ。
そこで最初に出していただいたのが「かきまぜ」。
混ぜ御飯です。
混ぜ御飯は、私の住む岐阜県の東濃や長野県南部では「味ごはん」と言います。
ちなみに愛知県の出身の私の母は、混ぜ御飯とか五目御飯と言っていました。
で、かきまぜ。すごくおいしかった。
これにはサバを少し甘く味付けて煮たものが入っています。
「少し甘く」がポイントです。いいアクセントになっていて、そこがおいしい。
さすが海の町です。サバも脂っこくなく臭くもなく上手に煮てあります。
で、私の住む岐阜県東濃地方では、味ごはんにシーチキンを入れる人が多い。
最初「えっ?」と思いましたがもう慣れました。
それはきっと現代風のぜいたくなやり方なんだろうと思っていましたが
最近気づいたこと。
魚を入れた炊き込みご飯はこの地方の昔の家庭料理。
その流れを汲んでいる!
隣の恵那市には「さよりめし」という伝統料理があり
今は作る人はないようですし、これを知っているのも一部の人だけなのですが
白いご飯の上にサンマが1尾、ドーンと載っているものが
何かの本で紹介されているのを見たことがあります。『聞き書 岐阜県の食事』?おぼろげな記憶。
すると恵那市の隣の長野県根羽村でも「そういうのがある」と。
そして、ここでも味ごはんには、今はシーチキン、古くはサバなどを入れるのです。
昔から魚を入れていたから、今は代わりにシーチキンを使うのですね。
けれど私の母は海辺の村の生まれでしたが、シーチキンや魚は入れません。鶏肉を入れました。私はそれが嫌いでした。
肉が嫌いだったので当然ですが、だいたい、鶏肉のモソモソ感と御飯が合わないんですよ。
今も嫌いです。同じ理由で鶏肉の入った茶わん蒸しも嫌い。
シーチキンの入った混ぜ御飯は油っこくなるのがちょっとイマイチですが、鶏肉よりはずっとましです。キライばっかりでわがままですね。拘束されている後藤さんのことを考えなさい!
で、海でとれたばかりのサバを煮て入れた印南町のかきまぜがおいしいというお話でした。
上に載っている絹さやも印南の特産です。
写真/和歌山県印南町の「かきまぜ」(2015.1)
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