山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

十和田湖冬物語

2007-03-05 | 山里

 

昨日は5月のような陽気だった。この暖かさで梅もあっという間に三部咲きほどになった。夜も生暖かく、数日前まで車のフロントガラスに霜がはりついていたなんてうそのようである。

十和田湖冬物語(雪物語ではなかった)は、もう10年ぐらい続いているイベントらしい。大手の広告代理店HH堂が企画したり広報を行い、実質運営は地元のイベント会社が行っている。

十和田湖には休屋という地区がありここに旅館・ホテルが数軒かたまっていて、それ以外の湖岸は開発されず温存されているので、風景は誠に美しい。北海道では護岸されていない美しい湖がたくさんあるが、本州でこれだけきれいなまま残っているのはきっと珍しいのだと思う。十和田市街地から車で1時間半ぐらいかかり、ここだけが山の中にすっぽりととりのこされたように別世界になっている。十和田湖の水面は400メートル調度で、山奥ながら、それほど高地にあるわけでもない。

地図で見ると見落とすことのない大きな湖だが、この程度の開発しかされていないのは、やはり東京からも遠い東北にあるからなのだろうか。とにかく、魅力的な湖なのである。国立公園として環境省さんはしっかりと守ってほしいものである。

青森県の中でも十和田湖は相当寒い方の部類に入るらしい。私が行った日は暖かく穏やかな晴れの日だったのでよかったが、冬の間、吹雪の日も多いだろう。雪が極端に少ない今年でも、積雪は1メートルぐらいあった。八戸では皆無だった。

そんな冬季の2月2日から25日まで、冬物語と称してイベントをするというのは大した度胸かもしれない。旅館・ホテルにとってはこの期間が稼ぎ時で、イベントが終わると閑古鳥が鳴き、みんな出稼ぎに行ってしまうらしい。イベントではステージもありコンサートをしたりしているが、吹雪となればそれも中止だろう。HH堂の営業の賜物なのか、大型バスで団体客をどんどん都会から運び込んでくるのでもっている。

地元の若手は、山スキーで周囲の山をめぐるツアーや、雪上車とスノーシューで見下ろす展望台まで案内したりするツアーで、十和田湖ならではの企画を打ち出しているが、それ以外には湖を眺め遊覧船に乗り白鳥にパンをやりイベントで花火を見てホテルで温泉に入ってまったりくつろぐという旅となる。すなわち、イベントの企画は代理店任せで、地元ではほかにあまり観光のネタを持っていない。雪と寒さというハードルはいかにも高すぎる。もう少し何とかしてほしいといいたいがそれも酷な気がする。というより、こんな悪条件(町から遠く、人が少なく、雪が多く、寒い)で10年もこんな長期に及ぶイベントを続けていられること自体驚異的だ。でもやっぱり、代理店の持ってきた特設テントやステージ以外の、地元の工夫を入れてほしい。今のイベントでやっているのは、最初に書いた2つの企画以外は町の真ん中でもできるプログラムばかりなのだ。足りないのは地元が一体となる気持ちなのでは?あるいは若い力か。このイベントがなくなったらホテル・旅館はたちまち困窮するのだから。

 

それにしても、今度は5月下旬の新緑の時期に行ってみたい。ムラサキヤシオがたくさん咲くらしい。


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