東京モーターショーに トヨタ が出展する車両で、次に気になったのが 「S-FR」。
ネーミングから、トヨタ の米国若者向けブランド 「サイオン」 用車両でしょうか。
先ずパッと見て連想されたのは、「トヨタ S800」。
「パプリカ」の水平対向エンジンを積み、空力優先ボディーで軽快に走り回ってた往年の名車です。
「トヨタ 2000GT」 をデフォルメしたような、とても愛らしかった車♪
学生の頃、某雑誌の 「女子大生に人気の車 ベスト10」 をやれば毎回上位に入っていたっけ(笑。
丸みを帯び、ロングノーズ&ショートデッキ なあたり ソックリ に見える。
これで屋根が 「タルガトップ」 になってたら、ウリフタツ?
「S-FR」、これは以前から トヨタが 86 の下位クラスとして気軽に若者にスポーツを楽しんでもらうための車として開発をアナウンスしてたもの。
単純に排気量でいえば、1~1.6L 辺りを想定してるのかな。
名称から判るように、レイアウトはFR。
フロントエンジン に 後輪駆動。
MTのみで、サイドブレーキ・レバーがしっかり装備されてるあたり、スポーツ走行から、ジムカーナやラリーまで幅広く対応することを目指してるのが判ります。
一応 「4人乗り」となってますが、限りなく 「2+2」ですね(汗。
車格的に、このところ目が馴れて来てる 「ロードスター」 に近いものの、後席の有無が全体デザインに大きな違いを見せてます。
う~ん、無理にリアウィンドウを絞り込まず、いっその事 ドーンと大きく膨らませた方が 「自然」 になった気も。
それで、後端を 「ザガート」 のように何か工夫して処理できたら面白かった?
何となくこの辺りが、ボリューム不足というか「迷い」みたいなものを感じる。
それ以外は全体にキュートで好印象。
顔つきは、ボンネットの端がライトユニットに掛かるので、やや 「目力」 は 「怒り顔」かな。
決して 「美人」 では無いけれど、とても愛すべき 「不細工」 って感じが可愛い。
愛車にしたら、「うちの子~♪」 とか指しちゃいそうです(笑。
この段階(デザインコンセプトです)では、かなり男の子がヤンチャする機能を優先してるようです。
外観はかなり愛らしく、ギャップがどうなんだろう?
室内はといえば、黄色い 「差し色」 が鮮やかなスポーツカーの雰囲気。
見る限り、このまま出てもおかしくないのではというほどの完成度ですね♪
「オヤジ目線」 から言えば、唯一 「メーターパネル」 がチャチというか、調和していない。
若い方にはこの方がウケるのかもしれないけど、個人的にはココも 「アナログ」 でまとめた方が良い気がするのです。
せっかく、MTで、シフトノブが生え、スポーツドライブに適してそうなシートがあるのになぁ。
何ていうか、軽自動車(これはスペースの問題があります)っぽいというか、カラフルにデザインして若い子ウケを狙うホンダみたいというか…。
シックで 「キュー」 っと緊張感ある中、メーターパネルだけが浮いてる感じがする。
…まぁ、これって自分が「ジジイ」だから今の感性についてって無いって事なんだろうなぁ(汗。
あ、もしかすると、オーディオがUSB入力とBluetoothになってるから、この表示部を兼ねてるのかな。
今回、「モーターショーで様々な意見を聞き、パワートレーン等を決めていきたい」とある。
気になる方は、ぜひともトヨタさんに意見寄せて魅力的な車にすべきですね!
デザインは丸いけど、久しぶりに AE86 のポジション が帰ってきたと言えるのかもしれません(86は大きく、本格的過ぎ)。
エンジンは、「スバル の フラット4(1.6L)!」 と言いたいところなんだけど、ちと無理か。
86であのフラット4(2L)の素晴らしさを体感したので、その下位版に期待したいけど、構造的に難あり。
そもそも、スバルの水平対向エンジンに何故、四駆が多く組み合わされるのかと言えば 「重量バランス」 がある。
左右に張り出したシリンダーヘッドが、サスペンションアームと干渉する問題に対応するため、前輪軸より 「前側」にマウントしてるんですね。
そのままでは重量が極端に 「前寄り」 となるため、後輪側にデフ等の 重量物 を配する事で 「理想的なバランス」を達成してる。
昔のレオーネ・クーペ(FF)を運転してた叔父は、「エンジンは力あったけど、バランスが悪くて雪道のコーナーとか怖かった」と思い返す辺り、やはり四駆との相性が良いらしい。
これを前輪より 「後方」にレイアウトしたのが、「86」や「BRZ」。
FRのバランス的に優れたものの、かなりロングノーズとなってしまっている。
もしかしたら載るかもしれないけど、「S-FR」のネット画像を見る限り 「ちょっと厳しいかな?」なのです。
次に推薦したいエンジンとなると、これまた最近堪能した 「ロードスター」 に搭載されていた SKYACTIVE-G1.5 かな。
ちょっと非力かなぁって予想して試乗したら、なんのなんの とんでもない。
下からシッカリとトルクが出るし、回せば気持ち良くレッドゾーンまで吹け切る。
MTで自由にパワーバンドを操る楽しさを、思いっきり再認識させてくれた。
トヨタ と マツダ の技術提携も深まってる今、エンジンも転用できるかな。
他にどんなエンジンがイイかって考えたら、今のところ私にはピンっとくるものが無い。
ただ、かつての 「セリカ」 や 「レビン(トレノ)」等が 次々と排気量が増えたり、過給器が付いて行った事を思い起こすと、そうはなって欲しくないかな。
気軽に楽しめる、エントリークラスのスポーツカーとするなら、お値段を抑える意味でも 「肥大化」は必ずしも嬉しく無い気がするのです。
「ロードスター」 が「運転して楽しい」 と言ったって、およそ 300万ってプライスは、学生さんや新社会人がポン!と買うにはあまりに高い。
ならば、頑張ったら手が届くかな って辺りに 「S-FR」が来て欲しい。
手に入れれば、ホイールだのタイヤだの、もしかしたらダンパーだのシートだのと次々欲しくなるかもしれない。
数年後、気づいたら自分だけの1台(自分色)となってるかもしれない。
最近は移動する応接間みたいな車が良しとされてる気がする。
それはソレで 「あり」です。
でも、それだけじゃない、違った楽しみ方もあるって事を示す可能性を、「S-FR」に感じ、応援したくなるのです。
いろいろな面白さがある、だから 「車」 って飽きないし、面白い♪