ホタテを育てる漁業
村が育てる漁業で、漁師の手取り年収は1千万円を超えると言う。北海道の宗谷岬南、オホーツク海に面した猿払村だ(11月18日新聞に)。
漁協組合員数は1971年60人強。村長は自然に頼る漁業から「育てる漁業」に変えて生き残りを図ろう、とした。大規模なホタテの稚貝放流事業に70年代に乗り出す。今では村の独自税収の6割弱を漁師が納める。現在の組合員数は260人超に。日本最北の村にも関わらず約2800人をほぼ維持しているという。
地域を活性化させる役割は県や市が負う。この例は、村が事情をよく見てリードし、人口減少を防いだ。人口減少が進む地方の町は多い。私の住む所も同じだ。若者が離れて高齢者ばかりが残っている。たまに定年後の年金生活者が戻って来る。里山には猪が住み始め、猿も見かけたと聞く。人口減少がもたらす表情のひとつだろう。
生活ができる、収入が得られる仕事の存在が必要だ。猿払村のホタテ事業に象徴されるもの。土地はある。稲を作っていたが稲では収入が比較して少ない。収入が多い植物が好ましい。住人も含め町も市も念頭に置いて、試すこともしながら見つけ出したいものだ。