杖をつくと
家内は左膝関節の置換手術をした。「痛い」と言いながらの生活で、右膝関節や左股関節までに痛さが広がり、手術の決心をする。
今年の長い暑い夏に、手術とリハビリを受けて、9月初旬に退院した。術後しっかりリハビリして、普通に生活ができる程度になって退院を、と約1.5か月の入院生活。なかなか腫れがひかず焦り気味だったが、周りの同じ病名の患者と会話し、比較しながら、明るい声で私と話し始めたのが、退院前10日くらいの頃。腫れがなくなってはいないが、杖なしでもこんなに歩けると動いて見せた。
退院後2週間の今。手術の膝周りの筋肉が固く思い通りにならない様子。杖が欠かせないようだ。先日、「お墓参りに行ってくるよ」という。「わかった」と送り出したのだが、後で想像してみると、お花、線香、掃除道具、共同墓地にあるとはいえ、重い水。杖つきながらの運搬には、よほどの工夫がなければ幾度も往復しての作業となる。さぞ困難だったろう、「一緒に行くよ」と返事しなかったことを後悔した。
両手は自由に動くが、杖つく時は片手となる。手は器用ではあるが、一つではなんと不器用。ほとんど何もできない。できないことを実感しているが、杖つく人に対しての私の思いやりの無さ、を実感したことでもあった。
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