食べ物日記   元気 一番

健康へ気配りしながら主に食事を!

父の将棋教室(転載)

2011-11-26 19:54:05 | 転載文書

堺市 阿蘇 由美子 (主婦 58歳) 朝日新聞2011年11月26日 ひととき

 90歳の父は将棋暦80年。私たち3人姉妹は駒に触れることすらなく大きくなったが、孫は皆4、5歳になると手ほどきを受けた。
 彼らが成長するにつれ、父が負かされる時もあり、そのたび「強なったなあ」とうれしそうに笑っていた。心中には一抹の寂しさもあったに違いない。
 朝の散歩と夕方の青竹踏みを欠かさず、体力に自身のある父は自転車に乗り、どこへでも出かけた。元気で若い父が自慢だった。そんな父が春先から外に出ず、居間に座って居眠りすることが多くなった。
 6月、父の体調とその表情から、父に将棋を習う最後のチャンスだと感じた。さっそく父の将棋教室を開講。生徒は私一人だ。
 まずは駒の並べ方、動かし方から実戦へ。ハンディをつけた駒落ち戦でもまったく歯がたたず、父は「あかんな」を連発。しかし、「今のはええ手や」とほめられる日も出てきた9月、父が誤燕性性肺炎で入院した。そして11月5日。父は退院することなく亡くなり、将棋教室再開は永遠に不可能になった。
 あちらで父と会った時、ハンディなしで対戦できるよう、でも、父より強くならない程度に精進したい。
-----

締めくくり部がおもしろい。

写真は自作の初キャベツ

 

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 仏教について(転載) | トップ | 大河ドラマ NHK 江  »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

転載文書」カテゴリの最新記事