熊澤良尊の将棋駒三昧

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春節

2011-02-03 07:11:23 | 文章
2月3日(木)、晴れ。

きょうは旧正月。
日本ではほとんど意識することは少なくなった旧正月。
だが、この「春節」は中国や台湾、中国文化が根付いた東南アジア地域では大切な祝いの日なんだそうです。

ところで小生の誕生日は1月下旬の某日なんですが、小さい頃から「ひつじ」ではなく、前年の「うま」と親から教えられており、自分自身、今もそのように理解しています。

つまり、今日は「節分」でもあり、今年もこの日までに生まれた者は「うさぎ」でなく、前年の「とら歳」だという訳です。
多分、こんなことを言うのは、今や少数派なんでしょうね。


写真は、過日あるところの和食の店で見つけた「春」。
奈良のお酒です。


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曜日を間違えました。今日は木曜日でした。
今朝、春節のことに触れました。
日本でも神戸や横浜、長崎など中華街では春節祭が華やかに賑やかに行われているとのことですね。


今日は珍しいというか、興味深い「駒」を拝見しました。
朝、電話を戴いて「出来れば、これから訪問したい」。「どうぞ」と言うことで、持ってこられたのが2組の興味深い「彫り駒」でした。
所蔵者は、茨木のKさん。
いずれも最近入手したものなんだそうです。

写真には撮っていないので、所見を言葉でお伝えします。
1組目は、銘が「龍雲」と読み取れる彫り駒。
「龍雲」はどこかで見たような気がしますが、文字そのものは初見。
昭和の初期か、もう少し前に作られたものでしょうか。
材は薩摩ツゲ。
「王将・玉将」の「將」の字の「寸」の竪画が太く深く下部が水滴のように彫ってあるのが特徴で、これに続くハネも、斜め45度方向に太く力強い。
持ち主のKさんは「天童?」かと言っておられましたが、小生は「大阪彫り」と見ました。
「寸」のところが「羽前彫り」に似ているので、「天童」と思われたようです。
しかし、各所に伝統の大阪彫りの特徴が多く見られるシッカリした彫り痕の駒でありました。

もう一つの駒は、不思議な駒です。
駒尻の厚さは測らなかったが、13ミリくらいの厚さ。
これは江戸時代の古駒でしばしば見掛けるかなり厚いもの。
彫ってある文字は、印象として水無瀬兼成の筆跡に似ている。
駒尻にはそれぞれ「安清(花押)」。
この手での「書き駒」は、これまでにも見ているが、彫り駒は見たことがない。

彫り痕は丁寧ではあるが、細かなところは1枚1枚が微妙に違う。
之は、書いた文字に忠実に彫ったからでしょう。
そして「安清(花押)」の銘の斜め上、その小さな隙間に金色で小さく「正茂彫之」とある。
「正茂が之を彫った」と言う意味であり、文字は後から金蒔絵で書かれたことが分かった。

で、結論は次の通り。
「元々は安清の書き駒だったのを、後に正茂と言う人が書かれた漆の字に忠実に彫り直した」。
出所は香川県とのことですが、「正茂」はどういう人かは分からない。
何故、自分の名を残したのかも分からない。
そういう面白い駒でありました。



コメント
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