熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。
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玉と王

2020-02-03 18:30:04 | 文章


「棋譜読み上げのテレビなどで、『玉』を『王』と言わないのはどうしてでしょうか」と、質問をいただきましたので、私の見解を申し述べます。

お尋ねの件。棋譜の読み上げですが「王」と言わず「玉」というのは、歴史的にも「玉」が正しいと思います。と言いますのは、もともと古くは「王将」という駒はなく、双玉と言って、2枚とも「玉将の駒」でありました。
私に言わせれば「王将」が一般化したのは、江戸時代後期以降で、いわば新参者の駒なのです。ですが、今は「王将」を、上位者がを持つことになっていますね。ちょっとこれには納得がゆきません。違和感があります。

では、いつ頃このような慣習になったのでしょうか。少し調べてみましたが、よくわかりませんでした。明治の頃か、大正時代、あるいは昭和初期の頃かはっきりしません。どなたか知っている方がいらっしゃれば、教えてほしいと思います。

今、これが当たり前のように定着してしまっていますが、よく考えればおかしいのです。大方の人は、考えたこともないのでしょうね。考えることが仕事の人でも、ここまで考えることはしない。

もう一つ、「王」と「玉」の言葉について考えてみます。
「王」はキング、つまり外国では王様ですね。おおかたの人は、この認識なんでしょう。しかし、日本の歴史を考えてみてください。「王」は、唯一無二の天皇ではなく、天皇の息子や弟、あるいは叔父など姻戚関係の男子。これを「王」と呼びます。そして、地方豪族の長、これも「王」と呼んできました。ですから、時代時代で「王」は、何人も何十人もいたのです。

一方、「玉」は、天皇の別称でもあります。玉体とも言いますね。玉座は天皇の座る特別のところ。

どうでしょうか。
なぜ、今は上位者が「王将」を持って、下位者が「玉将」なのでしょうか。
おかしなことではありませんか。理由が分からないのです。
どなたか、答えていただける方がいらっしゃれば、教えてほしいです。
今日は、こんな話ですみません。

 

 

 

 

 

コメント (7)
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