回想記・その12、漆書きによる復元品。
「大局将棋駒」制作で得た成果は大きかった。肉筆の漆書きによる駒づくりは、永年、練習を積み重ねてきたその成果を「大局将棋駒」で具現できたことで、それが自信と動機につながった。
水無瀬神宮には何度も訪問して、兼成筆の駒一枚一枚の姿は眼に焼き付けていたし、詳細な写真もある。その水無瀬駒に迫ろうと思いたった。
出来上がったのが、この映像の駒。
箱書きには「水無瀬神宮蔵、兼成卿八十二才ノ駒ヲ平成二十年ニ初メテ写シタルモノ也」と。この時、65歳。
後にもう一つ推定復元したのは、象牙製の中将棋駒。
推定復元としたのは、すでに無くなってはいるが400年前に象牙の中将棋駒が二組作られていて、徳川家康と豊臣秀頼に渡されたとする古文書に基づいての復元品であるとの意味で、そのことは、箱書きに記しています。
いずれも、文字は写真を見ながら漆で書き上げた小生の駒づくり節目の駒として、手元に残しています。
なお、これとそっくりの姉妹駒が、水無瀬神宮がある大阪府島本町の歴史資料館に常設展示されています。素材はいずれもツゲ製で、こちらはJR東海道線・島本駅スグのところにあり、自由にご覧いただくことができます。
駒の写真集
リンク先はこちら」
http://blog.goo.ne.jp/photo/11726