熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。送料込み5000円。
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回想記・その7、52歳早期退職

2020-08-17 19:58:50 | 文章

回想記・その7、52歳早期退職

 「駒づくりを楽しむ会」が10年ほどたった頃、東京・大阪・静岡・四国ではグループも生まれたりで、かじっただけの人も含めると駒づくり体験者は全国で1000人にも。当初の目論見をはるかに超えていました。
 でも、将来はプロを目指す者として、趣味の「会」を何時までも続けることに矛盾らしきものも感じていて、12年続けた会報は区切りの良い50号で打ち止めとしました。

 団鬼六さんの「将棋ジャーナル」が廃刊になり、日本将棋連盟の「将棋マガジン」もそれに続き、老舗の「近代将棋」にも身売り話もでたりで、何とか持ちこたえてほしいものだと思ったりもしました。
 思いついたのは、やはり「駒」のこと。将棋ファンには熱心な駒ファンもいる。駒の話題と写真ページを連載すれば、それを目当てに本を買う人もいるはず。それを永井社長に提案して生まれたのが新しいコラム「熊澤良尊・駒に生きる」でした。
 たった1ページですが、やりがいのある仕事として毎月欠かすことなく原稿を書きつづけて、休刊までの11年間、132回をかさねることができました。

 一方、日本板硝子は55歳の定年退職しプロへ転向することを決めていた私は、その日が来るのが待ち遠しくもありました。。そんなある時、従業員に一枚のビラが配られました。希望退職募集のビラでした。
 対象は50歳以上。正規の定年退職扱いで退職金には割り増しがついてコレコレ。まさに自分のために作られたようなビラで小躍りしたのを覚えています。
 ところがです。隣の部門責任者で同期入社のK君が先に手を挙げたのです。それで迷いが出ました。後で思えば単なる思い上がりでしたが、責任者が今、二人とも居なくなっては職場が困ると考えて、手を挙げることを思いとどまる選択をしたのでした。
 しかし、チャンスは2度あるとも言います。丁度一年後でした。再び同じようなビラが配られたのです。しかも退職割増金が前回よりアップしている好条件で、今度はわき目もふらずサーッと手を上げました。時に52歳の秋でした。

 何事もスタートが大切だとと、退職後一年間は準備期間としました。
 重要なのはプロ化への切り替えをどのようにするかです。結論は、東京と大阪で個展を開くことでした。東京は銀座通り、大阪は心斎橋通りの一流どころ。普通の個展では意味がないので、場所にはこだわりました。

 

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駒の写真集

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