鉄製の杭や電線・マンホールの蓋などの
盗難が頻発している。
貨車に積んである石炭を盗むどこぞの
国の光景に似ているが
なんとまあ! わが日本国内での出来事であり
二日前は、ぼくの友人の施設までやられた。
子供の悪戯ではない。
れっきとした大人の窃盗である。
こんな荒っぽいことは不法滞在中の外国人グループの
仕業かもしれないが、中間あるいは裏では日本人が深く
関与しているにちがいない。
礼節をもったあの美しい日本人は
ほんとうに何処にいってしまったのだろうか。
「おーい雲よ」・・・・詩人・山村暮鳥のフレーズがあるが
今、まさに 「おーい日本よ」 何処へ行く・・・である。
ナミダサマ
干し柿の芯に
西日を拝むホトケサマが
透けてみえる
ちょうちんの芯で
ホトケサマが温かく揺らめいている
欅の幹に耳を当てると
微かに祈りがきこえてくる
(ホトケサマを彫り出す為に仏師は木を削る)
この世のことの善いとか悪いとか
そういうことはどうでもいいこと
ホトケサマはどこにでも在して
いつでも柔らかく微笑んでいる
両の瞳はホトケサマの通われるところ
昨夜も夢まくらに
ナミダサマを遣わして
散々ひとを憎んだその心を
洗い清めてくれた
出会いのときも
別離のときも
ホトケサマの化身
ナミダサマが現われて
雨上がりの五月のように
すべてを耀きに変えてくれる