姫シロさまが ぼくの愛用のソファーを占領している。
両手で頭を抱えてすっかり眠ったふり。
(まあ、猫の狸寝入りとは・・・・)
姫は常にテレビの前のこの一等席を狙っている。
ぼくがトイレに立ったり
お茶を淹れに台所に向かうのをじっと待ちかまえていて
その一瞬の素早いこと。
気づかずに姫の上に座ることもあって
そのたび 姫とぼくの双方が驚いて悲鳴を上げる。
姫は
ぼくを主人とは認めていないらしく
よって ベッドの上と同じように
このソファーも自分の居場所なのであり
ぼくへの気遣いなど一切不要なのである。
無理に退かそうとすると機嫌を悪くさせるので
ぼくは
ひたすら硬い事務用の椅子で
姫が用足しに出て行くのを待つ。
つくづく 姫の寝顔を見つめながら
ふと 「椅子取り合戦」など想い出し
ネコもヒトも大差無いことに気づかされている。
ファックス来る蛍に逢いにお出でませ