
八島湿原のビシターセンターは通称あざみ館の名があります。
ここ八島湿原は「山には山の愁いあり」で始まるあのあざみの歌が創られた場所なのです。
そして,湿原入り口付近に,そのあざみの歌の歌碑が立てられています。
演出なのか,それとも自然に生えたものなのか,
その歌碑の下には花の終りかけた
ノハラアザミでしょうか,あざみが咲いていました。
日本全国では100種類以上の薊が存在するそうです。
一見どれも同じに見える薊の花です。
その見分け方は難しく,素人にはとてもわかりませんが,
9月13日,2時間ほどの八島湿原で撮った花から,
薊を切り取ってみました。

田村草(タムラソウ)
花はアザミそのものですが,葉に棘がなく,
植物分類上はアザミではないようです。
アザミはキク科アザミ属ですが,
タムラソウは同じキク科でもタムラソウ属です。
山地の草原に見られる多年草です。
秋の初め,葉に棘がない薊を見たら,正確にはそれは薊ではありません。
タムラソウです。
一つ雑学が増えました。

野原薊(ノハラアザミ)
傷みもなく,きれいに咲いていたのでアップにしてみました。
多分,ノハラアザミと思われます。
ノアザミ(野薊)とノハラアザミ,外見も名前もとてもよく似ています。
つい最近まで同じものと思っていましたが,異なる種類の薊ということを知りました。
そして,両者とも日本で最もよく見られる薊なのです。
ノアザミは5月~8月,春から夏にかけて花をつけますが,
ノハラアザミは8月~10月,晩夏から秋に花をつけます。
また,総苞(そうほう)を触ると,ネバネバがあるのがノアザミ,
ないのがノハラアザミという見分け方があるようです。

利根薊(トネアザミ)
写真,多分トネアザミと思われます。
関東地方に多く見られ,切れ込みのある葉に鋭い棘を持つアザミです。
8月から11月,ノハラアザミより少し遅れて咲き出すようです。
草丈は1mを越しますが,茎は弱々しく,折れ曲がり,
花も蕾からすでに枯れた花まで,葉も枯れて茎にまつわり付いているものもあり,
いろいろなステージなものが同居して存在しています。
全体を見ると美しいとはなかなか言えないトネアザミです。
雨降りに花の汚れて利根薊