田舎道を歩いていると,
ナミアゲアほどの大きさで姿も似ている,
しかし,どこかが違う,見たことのない蝶を発見しました。
あわてて,カメラを取り出し,その姿を写してみました。
少しピントがずれていますが,
一枚だけ撮ることができたその蝶の姿です(写真9/5)。
その写真をもとに調べたところ,
タテハチョウ科に属するアカボシコマダラと判りました。
翅の白と黒の編み目模様と,
後翅の外縁にある鮮やかな赤い斑紋が特徴で名の由来でもあるきれいな蝶です。
この蝶,東アジアに広く分布しているそうですが,
日本には奄美大島とその周辺の島々だけに見られる蝶のようです。
しかし,2000年前後から神奈川県鎌倉周辺で,
度々この蝶の目撃報告がされるようになりました。
そして,2006年には東京地区でも見つかり,
その後,多摩地区でも年々観察事例が報告されているようです。
関西地区には目撃の報告がないところから,
鎌倉付近の蝶愛好家が2000年ごろ,多くの個体を放蝶した可能性が指摘されています。
それが,環境に適応して急激に繁殖しているものと思われます。
奄美大島のものではなく,中国より持ち込まれた蝶と推定されています。
中国より愛玩用に持ち込まれ,今や野生化している鳥に画眉鳥(ガビチョウ)がありますが,
それと同じく,日本の生態系を乱す可能性が指摘されているようです。
ひょっとすると何年か後には日本の野に
普通に見られる蝶になっているかもしれません。
外蝶の美しきこと罪なりき