五十の手習い足払い

五十歳を過ぎて始めたブログももう何年目?
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下克上の1979年ル・マン

2012年10月07日 | ミニカー
1979年のル・マン24時間レースは、前年度のチャンピオンであるルノーがF1に専念するために撤退したため、本命は2台のワークス・ポルシェ936、対するはミラージュM10、ロンドーなどのレース専用に作られたグループ6のプロトタイプ・カーでした。

一方、これらより格下(と見られていた)市販車をベースに作られたグループ5のポルシェ935はプライベートチームが大量14台をエントリーし、大雨のレースということもあって1位から3位までを独占し「下克上」と呼ばれる結果に終わりました。

優勝したのは有力なプライベーターであるクレーマー・レーシングが独自に改良した935K3(クレーマー・タイプ3)、市販車ベースとはいえ見るからに速そうないでたちです。
格下とはいえ、強力なターボチャージャー・エンジンを搭載した935は戦闘力が抜群だったのでしょう。

この935K3、ちょっと見にはマルティニ・カラーのように見えますが別のスポンサーのカラーのようですね。有名な腕時計メーカーの名前が見えます。



2位に入ったのは目にも鮮やかなトロピカル・レッドに塗装された935、スポンサーのHAWAIIAN Tropicは日焼け止めローションのブランド名だそうです。
実はこのクルマには有名な俳優であるポール・ニューマンさんがドライバーとして参加しています。
無類のレース好きとしても知られているニューマンさん、実はこのとき54歳。すごいですねえ。
もっとも相棒のF1ドライバーでもあったR.ストメレン(このとき35歳、1983年レース中に事故死)ががんばって走ったらしいですが。



3位入賞は優勝車と同じクレーマー・レーシングからエントリーした935/77A、スポンサーのカラーなのでしょうか、コバルトグリーンがきれいです。
スポンサーとしてクレジットされている“Trisconi”はドライバーのFrançois Trisconiと同じなのでオーナー兼ドライバーなのかもしれません。詳しいことはよくわかりませんが。



こうして見比べてみると3台のポルシェ935、ウィング(スポイラー)やエアダクトの形状が微妙に違っています
1976年に製作された935ですが結局ル・マンで優勝したのはあとにも先にも1979年だけでした。

強力なターボチャージャー・エンジンを搭載したポルシェのレースカーはこのあとポルシェ936のモデルチェンジを繰り返しながら1982年のポルシェ956、いわゆるグループCカーへと発展を遂げていきます。

※モデルはスパーク製、1/43スケール。


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2 コメント

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Unknown (300SL)
2012-10-08 08:44:32
「K3」の意味がやっと判りました。
市販車の改造でこのタフさ・・・・基本設計が素晴らしいのでしょうね。
まして、大雨での走行となれば尚の事、市販車ならではの設計の勝利・・・・でしょうか。
3台揃いますと微妙な違いを観る事ができて妙味深いです。
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雨中の走行 (のせ)
2012-10-08 09:20:08
雨の中の走行ともなれば、オープンボディのプロトタイプカーに比べ市販車の方が有利だったのかもしれません。もっともK3にしても軽量化のため車体の防錆処理もあまりしてなかったそうですから、とにかく24時間走りきることだけに特化したクルマだったようですね。
3台の造作を比較できるのはスパークならではかもしれません。少なくてもメーカーの差を考えなくてもいいですからね。
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