昨日は大相撲の千秋楽を観戦しました(もちろんテレビで)。
両者の対戦は絶対王者の横綱と、これから横綱を目指す(にしては少々歳を喰った29歳の)大関との新旧対決。
同じ外国勢同士の対戦でもあり、あっけなく勝負が付くかなと思いましたが(理由はあえて書かない)、横綱の狙いすましたエルボースマッシュから始まって互いに殴り合いになるという、およそ結びの一番にふさわしくない(ある意味ガチンコの)展開になり、最後は横綱の強引な小手投げが決まって全勝優勝という結果になりました。
6場所も休場していた横綱と、綱取りを目指す大関の勢いの差を埋めるための手段とは言いながら、番付筆頭者の相撲とはとてもいえない取り口でした。
有体に言って、大相撲ではなくプロレスのようでもありました。
あくまでも横綱の座にしがみつく執念のすさまじさはよいとして、対戦相手の挑戦を正面から受ける度量も無ければリスペクトも無い取り口は、とても「王者のふるまい」とは言えないものでした。
かつて、取り組みに敗れた後、涙を貯めながら「体力の限界」と一言だけ言って土俵を去った横綱千代の富士の潔さを知っているだけに、今回の一番は後味の悪さだけが残りました。
この横綱はまだしばらくはその地位に居続けるようですが、いつか本当に引退するその時がくるまで、大相撲の実況を観るのは止めにしようと思います。
もう顔を見るのも嫌になりました。
もうひとつ。
夜、F1のイギリスGPを視ました。
通算7度のワールドチャンピオンであるハミルトン選手と、マシンの熟成もあって今シーズン進境著しいフェルスタッペン選手との一騎打ちかと思われたのですが...。
レースはあっけなく序盤で勝負が付きました。
先頭を走っているフェルスタッペン選手のマシンのリアタイヤに、ハミルトン選手が自分のフロントタイヤをぶつけ(映像を確認しましたが、少なくても回避してはいない)、はずみでフェルスタッペン選手のマシンは、コース横のバリアに衝突して大破、同選手は病院に運ばれました(大したことがなくて何より)。
残ったハミルトン選手は10秒間のピットストップという(私から見ればずいぶんと軽い)ペナルティを受けた後、順位を上げて結局優勝を飾りました。
主催者側がペナルティを下したというのは、ハミルトン選手の過失を認めたということでしょうが、同選手はレース後「私は何も悪くない」「相手が私にスペースを残していなかったからやむを得なかった」と主張し、自らの非を認めようとはしませんでした。
決勝の動画を見ればわかりますが、同選手の主張する「目の前のスペース」がなかったというのは明らかに嘘であり、故意にぶつかったのは明らかです。
そのことだけでも許せないのに、ゴール後の表彰式では、そんなことはなかったかのようにはしゃいでいる姿が印象的でした。
もちろん、こうした場合によくある、相手側のピットに出向いてフェルスタッペン選手の容体を聞くとか、相手チームに謝罪するということも一切なかったようです(何よりも自分の非を認めていませんから...)。
これだけたくさんの優勝という実績を挙げながら、同選手が仲間からチャンピオンとしての尊敬を勝ち得ていない(と私は思う)のは、そういうところなんだろうな、と思いました。
ここでも「王者のふるまい」ということを考えさせられました。
時速300キロメートルを超す中で、わずか数センチの間隔でしのぎを削り合う危険なスポーツですから、一流ドライバーとしての技術と精神で正々堂々と競い合ってもらいたいと思います。
今回は本当に冗談ではなく、死亡事故と隣り合わせのアクシデントでした。