サー・アーサー・コナン・ドイルの小説「シャーロック・ホームズの冒険」に初めて触れたのは、小学校時代だったような気がします。
子供向けにわかりやすく書き直したシリーズものの一冊で、今から考えると「6つのナポレオン胸像」と「赤髪連盟」だったのかな、と思うのですが確信がありません。
とにかく、その当時ミステリ小説が好きだったわけでもなく、暇さえあれば本を読んでいた時期だったので、特に感銘を受けてそちら方面の小説を読むようになったわけではありませんでした。
「ホームズもの」を再び読むようになったきっかけは大学生時代。それまでに江戸川乱歩や横溝正史、高木彬光などを読んでいた私は、大学生協の書店でドイルの短編小説集「冒険」「回想」「生還」を見つけたのでした。
その文庫本を何気なく手に取ったときから、私は「ホームズ」にハマってしまったといっていいでしょう。特に創元文庫版の「生還」は、何度も繰り返し読んだもので、糸とじがほつれ、バラバラになってしまうほどでした。
題名をいちいち挙げることはここではしませんが、とにかく4つの長編も合わせて短編集、よく読みました。
同じ「ホームズもの」を今、長女がハマっています。まだ小説ではなく、テレビドラマシリーズですが。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、イギリス・グラナダTV制作の「シャーロック・ホームズの冒険」シリーズ。NHK総合テレビで昔放送していました。
あのドラマをいくつかビデオに録画して、こちらも繰り返し見ていたのですが、何年か前にDVDが発売され、12巻ものを買ったのでした(今、思うと24巻のフルセットを何で買っておかなかったかと悔やまれます。当時結構高かったので、二の足を踏んで、半分だけ買ったのですが)
それはともかく、東京に引っ越したときにそのうちの何枚かを持ってきており、長女がたまたまそれを見たのがきっかけでした。
電車も電話もない、馬車と電報(メッセンジャーボーイ!)の時代に活躍した名探偵の物語、今時分の人にはずいぶん単純なストーリーとして受け取られているみたいですが、「ここにすべてのミステリの原点があるのだ!」という私の説明に一応納得してくれているみたいです。
私としては、自分が持っていた小説のイメージが、そのまま画像で表現されているのでとてもうれしいです。中でもホームズ役のジェレミー・ブレットは文字通りはまり役でした。
今年はジェレミー・ブレットが亡くなって10年ですか、月日の経つものは早いものです。