松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

推手練習にて 我思うことの一部

2007-11-14 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
推手といってもまだまだ双手もおぼつかないような段階だが、
それなりに気づくこともあるわけで。
師(先生)によれば
推手を追求していけばおのずと武術寄りになり、
導引からは離れて行くことになるそうだ。なるほどなぁ。


太極導引と太極拳との違いは明確だ。
太極導引はいってみれば健康体操であり健康運動だから
自身の内部の陰陽バランスを調整することが目的である。
さまざまな導引法における共通点は
気血の巡りの調整を目指していることかな。

バランスが崩れるのは偏りが存在する、
すなわち中心中庸の“中”が何らかの原因で
(本来あるべき状況から)崩れたために起こるのだし、
偏った状態とは
本来循環すべきものを滞らせたり淀ませたりする条件が揃っている、
もしくはそのために偏った状態が生じているともいえるわけで。
万象の通りや流れが円滑にいかなくなる条件が揃うことは
陰と陽のそれぞれの性質を曖昧にさせることにもなる。
太極として表現される生態リズムが崩れてしまうことかと。


日頃の調整を行うために
より効率的で自然な姿勢や身体操作ばかりでなく
感情や考え方などといった
心理面をも含むコントロール力を身につけること。
それが太極導引の練習目的なんだろうなと思っている。

一方の太極拳は武術。
格闘技であるからには常に倒すべき相手がいるし
一手必殺の世界。
非常に厳しい状況に自身を追い込むのだから
相当のタフでなければ持ち堪えられない世界なんだろうと想像。

常に相手がいて、どんなに厳しい状況においても
不動の精神力と不断の身体操作を発揮する
陽的な太極拳に対して、
自身の内部の調整を第一義とし、
その上で外的環境との協調をめざす陰的な太極導引。
似て非なるものではあるけれど、
太極導引で行う套路鍛練は太極拳套路だし、
各動作の意味は武術的解説に基づいているように、
まったく繋がりがないわけでもない。
乱暴な言い方をすれば遠い親戚?といったニュアンスだろうか
(なんて言ったら太極拳を学ばれている人から
物言いがつくかもしれないけれど)。


当然のことながら推手もまた
太極導引的アプローチで行っている。
推手は相手と自分との間の陰陽バランス。
いわゆる攻防であり
勝敗というわかりやすい図式の陰陽関係でもある。
導引的には相手(外部)から受ける影響によって
自身の内部に起きる変動を感じながら
その都度対応していくことなのかな。
直接相手に対して
反応しようとする(攻防関係をメインに考える)のではなく、
まず自身の内部の陰陽バランスを感じることが
重視されているのかも。
あくまで自身の内なる状況を保つように考えるとでもいうのだろうか。
相手との関係において求めるものは勝利ではなく、
いかなる相手とも協調関係を保とうとする
柔軟な対応力なのかな。

少しずつだけれど
相手の状態を探ろうとする意識が働き出したみたい。
相手を探ろうとしていることを(相手に)察知されれば、
いいようにあしらわれている。
定歩の段階だから激しく振り回されることはないにしても、
軽重の変動に翻弄されることは多々あり。
それだけで自分の軸はぶれまくってしまう。

変化に対していまだ反射的に身構えてしまう自分。
わかっちゃいるけど…
力が入りまくりで軸を簡単にとらえられて崩されてしまう。
変化に対する処し方とはどういうものなのか、
まるでできてない=わかっちゃいない。
これもまた陰陽バランスなんだろうけどなぁ。
焦らずボチボチと





冬の訪れは神経痛とともに

2007-11-02 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
先月21日から秋土用に入りましたが、
暑い夏から涼しさを通り越して
一気に寒くなったかと思えば
台風がやって来たりと、
今年の秋の短さ、存在感の薄さ
そのままに、
乱れに乱れているようす。
いつにも増して
マスク姿が街中に目立つようです。

そして今年もやってきました坐骨神経痛。
今回は急性症状とでもいうように、
激しい症状でした。
こういうのははじめて。

台風が過ぎた日曜日から症状が出始め、
水曜日の夜あたりまでがピークだったようです。
昨日は少し落ち着いてきて小康状態、
しかしきょうは寒いこともあり、
またちょっと痛んでいます。
冷えはタブー、患部だけではなく
全身を冷気に晒さないような注意をします。
腰や骨盤周り(臀部だけでなく骨盤内も)の
血行が好くない環境にあるのです。
すでに冷えぎみ傾向にあると
考えてもいいわけで、
なるべく巡りを滞らせそうな条件を
そろえないことです。
温めると気持ちよく感じるのは冷えている証拠。

来週8日には立冬を迎えます。
導引練習も今月分は
一路の大詰めを迎えていますが、
下勢や足技が多くて
足腰への負担も大きいです。
しかし現象(外見)は
いくらでも変化して見えるものです。
求めるものさえ見失わなければ
どんな状態にあっても練習はできます。
練習の動きは全身を使って行っているはずなので、
たとえ患部は動きにくくても
運動の影響は少なからず受けている
と思われます。
気血の巡りを改善するような働きかけが
行われるわけですから
求めるべき動きの質を
意識していけたらと思うこの頃です。



 




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