松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

友人が逝きました

2007-06-28 | 日常雑記-暮らしの逸話(エピソード)-
それは昨日の午後、突然に訪れました。

彼女の着信が残っていました。
珍しいなぁと思いながら
折り返してみました。
コールをくり返しているうちに
ひょっとして授業中かと思い、
切ろうとしたら
男性の声が…。
おそるおそる話し出すと、
その男性は彼女のご主人でした。

「私が電話をしたんですよ。実はですね…」

それから一体何を話したのか
思い出せません。
ご主人が私に知らせなかったら
彼女に怒られるからと話されたことだけ、
かろうじて覚えています。

体調を崩していたなんて
まったく知りませんでした。
高校からの付き合いです。
私が過呼吸の発作で倒れるたびに
送り迎えをしてくれていました。
だからその後も
いつも私の体調のことばかりを気遣い、
自分の具合のことは少しも話さなかった。

結婚するときも
はじめてのお産のときも
いつも知らせてくれてたのに、
今度ばかりは
何にも言わずに黙って逝ってしまいました。


私の住む地域の小学校に
在任していた頃、
夕方になると駅で見かけることがありました。
いつもせわしなく
小走りで改札を走り抜けていました。
声をかけられずによく見送っていました。

思えば知り合った頃から
彼女は走り続けていたのかもしれません。
部活ではボールを追いかけていたし、
いつも率先して練習してたし。

どうでもいいような冗談話の内容を
理解できない自分を
本気で悩むような人でした。

何事にも手を抜かず、
まじめに正面から向き合う人でした。

彼女は自分のことを
固すぎると言っていましたが、
自分のことを
いつも後回しにしているような
強い精神力の持ち主でした。

我慢強かったよね。

でも
それにしても突っ走り過ぎだよ…

養生で心がけたいこと その4

2007-06-02 | 養生の栞-食・眠・動-
  体の声をきいて、自然にバランスをとろうとする体の力をいかす

体はもともと自然治癒という力を持っています。
たとえば中医の健康観には
自然界と人間とを一体のものとして観るところがあります。
これは「自然の中に人がいて、人の中に自然がある
という考え方ともいえます。
それは単に人間が自然環境の影響を受ける
というだけではなく、
自然界で通用している原理や法則が
人間にも当てはまる
と考えているということです。

自然治癒という力についても、
病気の状態から
自力で回復させて健康状態に戻るために働いている
と考えるよりは、
病気にまでいたらないようにしようとして働く力
と考えた方がいいのではないかと思います。

体のバランス回復力とでもいうのでしょうか。
たとえば病気にならないまでも、
好不調の波を感じることは誰にでもあるかと思います。
しかも好調のときは
体のことをいちいち気にしていないのが普通ですよね。
とりたてて気にならない好調のとき、
つまりバランスがうまく整っている状態を
支えているのも
自然治癒の力が働いている
と考えることもできるのではないかと。

バランスがうまく整えられなくなってくると、
少しずつ不調の感覚が出てきます。
自然治癒力が
このままの状態が続くとまずいという信号を
送っているとも言えそうですね。

この信号を感じ取ることが
俗に言う「体の声をきく」というものか
とも思うのです。
体の声をきいて
なるべく体の要求に合わせて生活することを
心がけるようにすれば、
体のバランス回復力を維持することにもなります。

いつもの習慣に合わせた
規則正しい生活リズムだけがすべてではありません。
ときに眠ければ眠り
食欲がなければ食べない
喉が渇かなければ飲まない
疲れれば休む
というような気持ちを持つことも大事です
(ただしそこにも節度と注意が必要です。
いくら体がバランス回復力を持っているとはいっても、
体の状態がそれなりに健康であることが前提となるからです)。

自然にバランスをとろうとする
体の力をいかすためにも、
体の声をきくことは大切になってくるかと思います。

養生で心がけたいこと その3

2007-06-01 | 養生の栞-食・眠・動-
  何事も行き過ぎた状態を避ける

よく「過ぎたるは及ばざるがごとし」と言いますが、
これはバランスが大切という意味かと思います。
どんなに良いとされることでも
そればかりであれば、いずれ弊害が出てきます。
バランスをとるというのは
偏りを避けようとすることです。

運動がどんなに良いとはいっても
疲労が残るほどやり過ぎてしまえば、
健康という概念からは
体に毒ということになってしまいます。
良かれと思ったことが
体に悪い結果となってしまったら
皮肉以外の何ものでもありませんよね。

飲食についても同じことがいえます。
暴飲暴食は勿論ですが、
いつも同じ傾向のものを食べるような偏り方も
体の中に“静止しやすい”状態を
つくり出すことになります。

たとえ体にいいとされるようなものでも
そればかりを摂取し続けていれば、
やがては過剰となって
体に弊害を招くようになります。

とりたてて特別な健康食品を摂取していなくとも、
毎日無意識に取っている飲食物の中にだって
体のバランスを崩す原因となるものが
あるかもしれません。
ときどきチェックしてみるのも
いいかもしれませんね。

悪いことを避けるのは当然ですが、
良いとされることでも
行き過ぎてしまえば毒となる。
あらゆる行き過ぎを避ける、
偏りを避けるように
心がけることが大切になってきます。