松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

練習メモ_導引三調05

2015-05-08 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
このところは虚実分明をテーマに練習中。
太極拳導引は内部環境の調整に取り組むので
虚実の関係性もまずは体内に限ってみていくことに。

虚実の関係性というと双重の概念が
セットになってくるようなところもあるが
運動が連続していく仕組みを理解すれば
おのずとわかってくることだし、まあぼちぼちと。


イメージと体感の精度が上がるにつれて
動きに求める内容も繊細になってくる。
微妙なバラツキが出たとしても
それに対応した動き方を選択し実行できれば
破綻は生じない。
ある一定のレベルの動きを維持できるのは
それなりの整合性がとれてくるからだろう。
上達とはそういうことなのかな。

動きばかりではなく心理的な面にも虚実の関係性はある。
いまこの瞬間、現実の動きを実、
それと並行して次の動きを予測し思い描く虚。
虚→実→虚→実→虚
虚実の振幅が繰り返されて連続性となる。

気の迷いは停滞、滞留、淀みを招く。
しかしまだ全身が停滞しているわけではない限り
たとえかすかであろうとも流れていると
感じる身体への全幅の信頼があれば
停滞で通りのよくない部分を
意識で徐々に通るようにすることができる。
調心が調身へと導く。
平静な心は調息から導かれる。

停滞、滞留、淀んだ状態は双重に等しいものかと。
虚実分明は動きだけに限ったことではなく
決断することが分明を導くこととなる場合もある。

かねがね太極拳導引がメンタル面においても
好影響を与えているように感じているのは
個人的にはこのあたりを意識しているところがあるかな。