松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

私の本棚

2011-11-11 | 日常雑記-暮らしの逸話(エピソード)-
物心つく前から本に囲まれていました。
別に親の教育方針だったわけではなく
親が本好きだったからです。
そういう環境でしたから
本を読み始めたのはかなり早かったです。

高校生になってはじめて自分の部屋ができ、
机、ベッド、そして私専用の本棚を
買ってもらいました。
自分の本だけで本棚をいっぱいにできるのが
嬉しくてしかたなかったのを覚えてます。

そしてこれまでに何度か
本棚の中身が大きく変わった時期がありました。


最初に大きく変わったのは
過呼吸の発作を抱えて長らく静養していた頃です。
学生生活を終えた仲間達は社会人として
着実に生活をしているというのに
自分は何ひとつ社会活動をしていないことに
悔しさを感じていたのは最初の数年。
体調はなかなか好転せず、
その後はしだいに落ちこぼれ感が強まり
いわゆる身も心もひきこもり状態に。

そんな時、高校時代の授業で使った
亀井勝一郎の『微笑について』のプリントを
偶然みつけて再読したのをきっかけに、
氏の著書を読み始めました。
その結果、本棚には『ファウスト』や『ゲーテとの対話』
『パンセ』『出家とその弟子』『歎異抄』なども
並ぶようになりました。

古典はひきこもりには優しかったかも。
甘えることは許さなかったけど、
迷い悩むことにはどこまでも
寄り添ってくれていたような気がします。

そしてこの頃からすでに少しずつですが
東洋医学系の本にも手を伸ばし始めていました。
当時は一般書は少なく、専門書は高価でしたので
基礎となる思想哲学系から入っていきました。


次に訪れた変化の時期は
どうにか仕事らしきこともできるようになり
少しは人並みに近づけたかなと思い始めた頃です。
(この頃はまだ人並みにこだわってたんですね)
いざ働き出してみると時間がないのです。
要領が悪かったのかキャパを超えていたのか
とにかく時間に追われてばかり。
読書量はみるみる減っていきました。

とくにMacを使い始めて
フリーランスでやるようになった頃の本棚は
仕事関連の本やMac関連のものばかり。
Macはほとんど独学で、仕事をしながら
覚えていったようなものでしたから、
アプリのツールの使い方がわからなければ
すぐに本屋に飛び込んで、
一番わかりやすい物を買ってくる。
それの繰り返しでした。
ひとつ仕事すれば数冊ずつ本が増えていく。
ギャラのほとんどが
Macにつぎ込まれていくような生活でした。
(それでも十分に楽しかったんですね)


そして10年程前、太極拳導引を始め出した頃。
仕事関連書籍が幅を利かせていた本棚に
太極拳や武術関連書籍が少しずつ並び始めました。
たぶん太極拳や中国語、中医学や養生、身体関連書籍が
仕事関連書を脇に押しやるまでに
さほど時間はかからなかったように思います。

養生を学び整体スクールに通ったのも
この一連の変化の流れに沿ったものです。
そうか、ずっとやってみたかったことだったんだねと、
いまなら思えるんですけどもね。


それにしても…
たかが本棚ではありますが、
その時々の自分を如実に反映しているのにはビックリです。