松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

他者の印象と自己体感のズレ

2004-10-31 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
自分の体感から受ける印象と
他者から見た印象とが異なることがある。
最近の事例では、
站トウ功を行っているときのこと。
時間の経過とともに
重心が左に偏る傾向があるのだが、
その要因を自分では
左脚力が右に比べて弱い印象を持っていた。
ところが先生の印象は正反対で、
右脚力が弱いとの印象を受けているとのこと。

自分が左脚を弱いと感じている理由は、
元来利き足である左脚が弱っていると
実感しているからだ。
例えば負荷を与えても
右脚より先に力が入らなくなったり、
左脚一本で体重を支える動作が
ちょっとしんどく感じる。
いつも体の左側に、
より強く緊張を感じていること。
こうした体感情報(というのかな?)から
自分では左脚が弱いと認識していたのだが、
どうも違うらしい?

ここのところ左脚を意識して
対処していたのだけれども、
実は右脚の方を
意識すべきだったのかしらん。

自分を客観的に観察したくても、
思いこみや心的要因の影響も受けやすいし、
体調によっても体感は随分変わってくる。
やはり他者から見た印象というのも
大切な視点だと思う。
個人練習だけだと
思わぬクセがついてしまったりするので、
教室でのチェックは欠かせない。

教室でできるだけ
バランスや体の使い方をチェックして、
意識的に練習を重ねていくことが
今の自分には必要かもしれないなと、
改めて思ったしだい。

背骨の意識が変わってきた

2004-10-28 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
27日は専科クラス。
同じ動作でも左右が変わるだけで
全く別物のように感じてしまう。
動き方もぎこちない。
日常生活では
無意識のうちに動かしやすい側を使っている。
だから練習時も使い慣れた側は
ついつい意識が甘くなる。
その点「普段使い」でない側での練習は、
動きの基本原則を改めて意識して動くので、
動きへの理解はかえって深まるのかもしれない。

基本姿勢をとることの難しさは、
動作中ずっと姿勢を保持し続けることはもちろんだが、
站トウ功のように
じっとして動かない状態での姿勢の保持も
なかなか侮れないように思う。

今現在、自分が感じている背骨のイメージは
初期の頃とはかなり違ってきている。
背骨という全体のイメージの他に、
パーツとしての頸椎、胸椎、腰椎の
部分別に意識することも
少しずつできるようになってきた。
これはたまたま自分が腰と首に
弱点を持ったからだと思っている。
ケガの功名だ。

この微調整ができる程度の緊張と弛みの状態を
はかる目安が、逆腹式呼吸のような気がしている。
どうも逆腹式呼吸が気持ちよくできるときは
背骨や骨盤の巻き上げの状態も
いい感じになる気がして、
呼気のときに弛む意識をやや強くして
整えるようにしてみている。
動かなければまだいいのだが、
動いているときは、
どうしても動きの主体の方に意識が偏ってしまう。
まだまだ意識回路も集中力も足りないのだろう。

朝型だったはずなのに

2004-10-24 | からだの風景-みる・さわる・かんじる-
23日は専科と基本科。
土曜の場合は水曜が夜なのに対して、
10:00からたっぷり練習できる日。
ところが最近になって
今までとどうも勝手が違うのです。
1コマめの専科クラスでは
動きがバラバラでどうにもなりません。
基本科クラスになる頃には
だいぶ持ち直してくるのですが。
これは…いったいどうしちゃったのかなぁ。

自分の意識と実際の動きが
寸断されているような感じです。
集中していないというのとも
ちょっと違うみたいなのですが、
寝ぼけてるみたいな感覚に
近いかもしれません。

実際は、6:30には目覚めていますし、
朝食もいつも同じ時間にとっているのに
体の隅々まで神経が行き渡っていないような感じ。

どちらかといえば
朝には強い方だったのですが、
そういえば最近、
血圧が以前より低くなったみたいです。
低血圧というわけではないと思いますが、
ちょっと低め。
そういう変化も影響するのでしょうか。

養生的には冬に向かっていく時期だから、
生理機能も低下してきますし、
早寝して遅く起きる
陰的な要素が多くなる生活になります。
あれ?
ひょっとしてこの状態は
疑似冬眠みたいなものなのかしらん。

姿勢について思うこと

2004-10-21 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
台風23号のために水曜の専科クラスは中止。
昨日の分を少しでも取り戻そうと
約1時間自主練習をする。
日々自分の弱い部位に影響が出てくるので、
何かしらの練習をすることは
習慣化しつつあるのだが、
まとまった練習はなかなかできない。
この日はたまたま時間が取れたまでのこと。

養生的に考えれば、食事や睡眠のように
運動もなるべく決まった時間帯に行う方が
よいとは思うのだけれど、
そこまではまだできていない。
誘惑や“しがらみ”にも負けるし、
仕事にも過適応してしまうのは
相変わらずだし。
心のコントロールが足りない。

こういう状態が姿勢にも現れているのだと
この頃よく思う。
素直な人は姿勢も素直なんだよなぁ。

ということは、基本姿勢が崩れていると
生活全般や生き方の姿勢も
崩れていることもあり得るのかも。
協調を意識して
常にコントロールし続けていることが
自然なことと思えるようになるまでの功夫。

なぜ先生の姿勢はいつも美しいのか、
美しく感じるのか。
たぶんそういうことなのだろうと思う。

焦らず、ゆっくりと

2004-10-16 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
16日は専科と基本科。
きょうは朝から寒くて体も硬い。
こういう状態の時は
なかなか思い通りには動けない。
体も心も緊張して強ばっているために
協調できずにいるからだ。
この日も結局、最後まで
改善のきっかけもつかめずに
終わってしまった。

自分の状態はわかっているのに、
なかなかうまく調整できないことが
悩みの種でもある。

心が先か体が先か?
どこから手をつけて良いのか
わからなくなってくる。
こんなふうに動揺するのも
良くないのだろう。

調子の良し悪し(波)があるのは普通のこと。
それを何とかしなくちゃと
焦る心理が
調整の邪魔をしているのかもしれない。

調子の悪いときは
下手にジタバタするよりも、
思い切って体に任せしてしまう。
なるべく平静に、
落ち着いた状態をイメージすることに
集中してみる。
今の自分に試せそうな調整法は
こんなことくらいしか浮かんでこない。

要するに心が弱いんだよなあ。
焦ったり慌てるのは
自分にとって不本意なことを受けいれたくない、
認めたくないからなんだと思う。
そんな心理が緊張感を生むのだろう。

まずは、心の反応(感じ方)の回路から
変えていかないとね。

どこが違うの?

2004-10-14 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
13日(水)は専科教室。
専科では9月から孫式太極拳を
導引練習している。

教室が始まる前に復習していたところ、
先生が「きょうはリラックスしていましたね。
よかったです」と、声をかけてくださった。

太極導引を始めて以来、ずっと
「動作が硬い」「緊張感がある」と
指摘され続けてきた私にとって
先生の「リラックスしていた」ということばは、
待ちに待ったひとこと。
でも、体感的には
今までとどこがどう違うのか
さっぱりの状態で
自分で納得していない分、ちとくやしい。
だけど嬉しいことには変わりはない。


緊張感がこれほどまでに強いのは
個人的要因によるものだと思っている。
先生からも指摘されているのだが、
おそらく心因性のものかと。
ようやく人並みの緊張感レベルになれたのかな、
ということだろう。
4年目に入ったことだし、これからがまた楽しみ。

これがもし偶然ではなくひとつの変化だとしたら、
そのきっかけを作ったのは
左肩の巻き込みグセに気づいたことかもしれない。
このクセは三円式站トウ功を練功していて
気がついた。
まだ始めて1カ月くらいの站トウ功だが、
じっとして動かないのに
心身の状態がわかってくる(伝わってくる)
ところがおもしろい。