松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

冬至南瓜

2012-12-21 | 日常雑記-暮らしの逸話(エピソード)-
先月、太極拳導引教室に通い始めて
12年めを迎えたと記して以来、久々の更新です。



さて、きょうは冬至です。
太陽が出ている時間が一番短いといわれる日。
そのせいなのか、
生命力がいちばん弱くなる日ともいわれているらしいです。
日頃から太陰太陽暦(古くは農事暦とも呼ばれてたらしい)に
慣れ親しんでいる私には、この日は少陽の極まる日で、
一陽来復の願いをこめる日でもあります。

冬至といえば南瓜を食べたり柚子湯に入るのが日本の風習です。
冬至南瓜(とうじかぼちゃ)は
「いとこ煮」(小豆と南瓜の煮物)が代表的な料理。
冬至湯はご存じユズ湯です。

子どもの頃に聞いたような記憶があるのが
「運盛り」です。
冬至に「ん」のつくもの(食材)を食べると運を呼び込める
という言い伝えです。
たとえば、ニンジン、ダイコン、ギンナン、レンコン、
キンカン、ナンキン(南瓜)などですね。
果物ならリンゴやミカンもでしょうか。

ちなみにナンキン、ニンジン、レンコン、ギンナン、キンカン、
カンテン、ウンドン(うどん=饂飩のこと)の七つの食材は
「ん」が二つつくので、運もたくさん呼び込めると
冬至の七種(ななくさ)とも称されて
食卓を飾ったみたいです。

どうやら「いろは四十七音」の最後が「ん」で終わることから
一陽来復の願いもあるのではないかとの説もあるようです。
このあたりの「こじつけ方」の巧みさは
暮らしの知恵を伝承させるためのくふうだったのでしょう。

台所や洗い場で実際に手を動かしながら
「こんな言い伝えがあってね…」って感じで
話したり聞いたりして暮らしてきたのかもしれません。


きょうは冬至の七種を意識した献立を考えています。