松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

養生のこころは食・眠・動

2017-01-13 | 養生の栞-食・眠・動-
養生法はたくさんあります。
なぜならひとりひとりが違うから。
個体としての体質や性格の違いやら
生活様式、気候風土などなどといった環境も含めて
細かくみていくほどに複雑に分かれていきます。
だけどこれらを生き物、いのちあるもの
といったくくりからみれば、
もう少しシンプルに見ていくことができます。
するとあれほど意識されてたはずの個体差(固有性)から
少しずつ共有すると思われるものが見えてきます。
違うと認識していたものたちの中から
共通している要素を見つけ出す。

視点を移すだけで見え方が変わるなんて
騙し絵みたい。
対象は変わらないのに、自分の意識が変われば
がらりと変わってみえることがあるんです。
ましてや他人の判定や評価ともなれば
鵜呑みにすることには、ちょっと待て!となりますよね。

巷ではさまざまな養生法が紹介されています。
養生はいのちを養っていくことですから
自身でこの大原則から外れているなと
感じるようならば、たぶん(その方法は)
あなたには合わないのではないのかな。


私の経験からすると、養生のポイントは
食事・睡眠・運動の三要素かと。
体調が崩れるきっかけは
この三つのどれかが日頃の状態と違ってくるようです。
不調のサインに気づくのが遅くなったりすると
三つ巴の総崩れ状態になっちゃいますね。
最近はそこまでいくことは少なくなりましたが…。
そして崩れた体調をととのえるアプローチもまた
これら三要素への手あてをしています。
全てに対処するというよりは
その時々の状態に合わせてやることが多いです。



かつて糸井重里さんが某クルマのコピーで
「くう ねる あそぶ」
というのをつくられていたのですが、
もしかしたらあの作品は
養生の至高なんじゃないのかなと
今になって思ったりしているわけです。
なにしろクルマに乗った井上陽水さんが
ご機嫌な笑顔でこっちに向って
「おげんきですかぁ?」ですものね〜


くう(食事)ねる(睡眠)うごく(運動)

養生の押さえどころはこの三つだと思うしだいです。








春来草自生(春来たらば草自ずから生ず)

2017-01-03 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
季節は人間の計らいとは関係なく巡っています。
冬の寒さ厳しい時節に
どんなに芽を出そうとしてみても
無理なものは無理。
南風が吹いて暖かくなれば
黙っていても草木は自然と芽吹くもの。


その時がくれば、なるようになる


昨年は母の死から始まり父の入院で暮れました。
人がひとり亡くなることの悲しみに浸る間もなく
社会的手続きに追われまくって一年が過ぎていった。
そんな印象です。

それでも心身のバランスを大きく崩すこともなく
なんとか乗り切れたことに安堵しています。

私を支えてくれたのは
周りの人達による有形無形のサポートであり
太極拳導引で培ってきた養生哲学にほかなりません。

いまそのときに集中し、その後はスッキリ解放する。
引きずらない、気持ちの切り替え、リセット確認。
煩雑なことはできるかぎり切り分けて
シンプルに整理し考え受け入れる。
慌てずにひとつひとつ丁寧に向き合う。


日々の運動練習は減りましたが
精神面の練功は磨かれたように思います。
そのおかげかもしれませんが
鍛錬で要求される課題への理解も
また一歩踏み込んでいけたようにも感じます。

その時がきたら、なるようになる

その時を迎えるためには歩みを止めない。
半歩でもいい、意識だけでもいい、
とにもかくにも止まらないこと。