松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

からだの軋みを聴きながら

2010-04-16 | 日常雑記-暮らしの逸話(エピソード)-
父の影響が家族にじわじわと及んできています。

何がいちばんつらいかといえば
生活のリズムを一定できないことです。
父はもともと気ままに生活してきた人ですから
彼の世話をするということは
彼によって日々振り回されることを意味します。

家族としての共通の日課、
たとえば食事の時間や昼夜の区別などというような
基本的な生活リズムに対して、
彼は今も変わらず気ままを通し続けています。
他の家族にとって、彼の生活は非日常的であり
集団生活の基盤となる“協調性”がみられず、
こちらの方が根負けしています。

足が思うようにならないと言い
普通は最後まで拒むといわれている
尊厳の象徴でもあるオムツ着用を真っ先に望み、
下の世話を母に委ねました。
その後の病院での検査でも、脳梗塞などといった
重篤な問題もとくにみられないと。
先日、来訪された介護認定審査の調査員の方も
彼の性格を見抜いたようで
家族以外の人との接触を増やすよう
提案してくださいました。

担当医、調査員、家族と
その誰もが同じような印象を持ったということは
今後の介護に対する方向性や内容に関しても
どんなに心強いことか。
あとは本人の意志しだいです。



彼の世話を2ヵ月続けてきて
あれほどゆるみはじめていた身体が
以前にも増してガチガチですし
腱鞘炎といった病的症状も出てきてます。
何だかひどく悔しい。


先日のこと、練習から戻ってきた私に
留守中の様子を話し出した母。
「いざとなれば皆オレのことを思ってるんだから」
オムツ替えをしている母に向かって
彼がかけてきたことばなんだとか。
それを私に伝えながら
「ムカつく!」という言葉を
母が口にしました。
2ヵ月間溜めに溜め込んできた毒を
ようやく母が吐き出したのです。好かった。


感情をコントロールするにしても
やはり限度はあると思います。
気を張った状態が常に続くというのは
ほんとに身体を傷めますし、
自然にわき出る感情を必要以上に抑えることも
また身体を傷めます。

自らを傷めることなく
人としての道をはずれることなく
いっそのこと彼の存在を
自然現象の一部として向き合うことができたらなぁ