松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

急がば回れ

2009-12-13 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
「急がば回れ」

まずは方向性が定っていることが肝要であるかと。
気持ちがはやる時ほど冷静さを欠きやすく
そのため目指す方向も見失いやすくなると思うから。


運動は空間移動ですから方向と時間を意識します。
何かを計画するときにも
方向性と時間軸は欠かせません。

太極拳套路は
設計図のようでもあり
楽譜のようでもあり
詩歌や絵巻物のようでもあり

まずは方向性を定めることからだなと
教えられているような気がする今日この頃です。


わかっちゃいるけど…

2009-12-11 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
水曜日は教室の練習日でした。
“陳式メイツ”のfちゃんと2人で
先生の指導を受けるという贅沢な90分。
(移動ストレッチだって息を切らせながらやりました)

練習中、とある検証をしました。
手首をつかまれた状態から
どうやったら手首を解放できるか…

なかなか思うように動けません。
既に手首をつかまれてしまっているのに
腕をひこうとしてしまうのです。

直線的な動きは相手にしてみればわかりやすいし
相手は容易にこちらの動きに対応できます。
つかまれた手はそのままです。
むしろ離すまいとしっかりとつかまれてしまう…


冷静になってみれば、これは検証なんですから
検証すべき動きがあり、
あらかじめ用意されていたのです。
だけど、実際に手首をつかまれてみたら
つかまれた時の現実の感触に
(自分が)どのように動きたかったのかさえ
すっかり吹っ飛んでしまったらしく、
つかまれた手が自由になっている
結果のイメージだけを頼りに
ただむやみに動いていたような気がします。

要は結果のイメージばかりが先行して
(先走ってしまい)
実際の行動が疎かになってしまった。
まだ現実に到っていない、
いわば空(くう)のイメージの前に
集中すべき現実のイメージが
かき消されちゃったようなものです。
分析すれば、たぶんそういうことなんでしょうね。

ははは~
またやっちまいました。

日常的な体の使い方にしても
これと同じことをイヤというほどくり返してる自分。
まだまだですね~





それは恋しているのと同じです

2009-12-06 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
来年の交流会にエントリーするために
表演演目を決めることになりました。
そこでここ2週間ほど
練習套路を楊式から陳式に変えてみたところ
先日アップしたような状況になってしまいます。


じつは楊式を練習し出したときは
陳式っぽい動きになるし、どちらかといえば
すんなりと楊式になじめたということでもないのです。
ところが最近の練習では
内から“しーん”と静まっていることに気づきます。
静かに落ち着こうとして
とくに働きかけたという記憶もなく、
気づいたら何かそんなことになってたみたいです。
しかしこれが陳式だと、
なぜか“しーん”とした状態には、いたらないわけです。
そんなことが気にかかりはじめたんですね。

好きだけど心穏やかではいられない陳式と
陳式ほどではないかもしれないけど
好きなことに変わりはなく
しかも(陳式よりも)心穏やかでいられる楊式と
いま自分がやりたいのはどっちなのか…
なんていう状態でグズグズしてたわけですが、
もう決めなければいけません。



で、楊式にしました。


案の定、先生からどうして?と問われ、
いまの自分の段階では、陳式が好きというだけで
心穏やかではいられなくなること、
しかもそれが自分の中では
ちょっと負担?に思えてきているような気がすること
などを伝えました。

するとそれまで黙って聞いていた先生が
「それは恋をしている気持ちと同じですね」
とおっしゃいました。
好きな陳式だからこそ動きのイメージと動きを
あわせやすいだろうと思うのに、
好きな気持ちが強すぎてしまうと
思うようにならなくなって苦しくなってくる。

それは自分への要求が厳しくなるからでしょうね。
好きという気持ちに比して
自分の現実(アプローチ)じゃまだまだ足りない、
こんなものじゃ…と思い込んで自分を追いつめて行くのです。
これもまた例の“気持ちの問題”ってやつに他ならない。

この見地からすれば、いまの自分には
楊式は、おそらく程よい相手ということになるのかも。
適当に見て見ぬふりをしたり
よいところはよいと認められたりして。
状況に応じて適当な距離を保っていられる
まぁ恋の相手というよりは、友達ってとこかなぁ


心猿意馬

2009-12-01 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
今年は伝統楊式(85式)套路を練習してきました。
そして先生からいただいた鍛錬要領をもとに
練習しだしてから、ほぼ1年になろうかというところです。

あくまで個人的な見解ですが
楊式套路は鍛錬要領を実践するには
やりやすかったような気がします。

それにひきかえ陳式は
好きというだけで、すでにもう…
なかなか心穏やかではいられないのです。
なーにやってんだか…。

こんな状態を「心猿意馬」というらしいです。