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月の満ち欠けに時の流れを感じながら、皆でそれぞれの持ち時間を楽しく意味あるものにしていきたい。

今日最終日・「もやい展」船堀タワー

2021-04-08 09:46:24 | 知ろう福島のこと

   今日(4月8日)の17時まで無料公開中の「もやい展」 <3.11から10年語り紡ぐ命の連綿>、昨日夕方見てきました。

   中筋純さんを中心に芸術家が多数集まり、4月1日から都営新宿線船堀駅の目の前のタワーホール船堀1階のギャラリーで作品展示とパフォーマンス(昨日は大ホールを使ってのショーもあった)などにより福島の思いを多くの人に伝えようとするイベントだ。

   ギャラリーの展示や記録映画その他、2時間ほどかけてしっかり見てきました。

   

    中筋さんの写真展でよく登場するチェルノブイリ汚染地域に残りたくましく生き続けているお婆ちゃんの写真。今回はそれはなく、新宿の展示以来、見に来た人たちのたくさんのメッセージものせて、私たちに「福島のことを忘れていないか?」と私たちに問い続けているこの目の展示が入り口正面で待っていました。

    目の中には、福島双葉町の入り口に掲げられていた「原子力、明るい未来のエネルギー」の看板が写っていて、目は、標語を子どもの時に作った男性の目を中筋さんが撮った写真です。

    今回は「もやい展」ということで、たくさんの芸術家が集っての展示。以前の「もやい展」とはメンバーも違う人も多いようなので、未知の世界に足を踏み入れる感じでした。

    印象深かった作品のいくつかをご紹介します。

    除去した汚染土を入れるフレコンの袋が天井からいくつか吊り下げられており、その中に顔を入れてみると・・・・

    

    (人間が愚かにも住めなくしてしまった地の上に、それでも美しく輝き続けている)という思いを抱かせるような、美しい天空の星たちが光っていました。あの原発事故の後、人工的な光が止まり、夜空には星空が広がって見えたといいます。小さな鈴が自由に鳴らせるように置かれていて、その鈴の鎮魂の音が開場に響いていました。

    

    絵本作家の鈴木邦弘さんの作品です。福島の絵本を何冊も出版されていて、その原画絵が展示されていました。子どもにもしっかり(福島で何が起こったのか、そして今それがどうなっているのか)を伝えたい。非常に丁寧なタッチで、犬を主人公に、その気持ちが見事に表現されていました。

    「いぬとふるさと」という絵本を買って帰ってきましたが、この方の作品はamazonや本屋さんでも手にいれられると思います。上の作品は「紅」から。「楽園」という絵本も印象的な絵がたくさんありましたが、売れ切れていました。中筋さんの写真と鈴木さんの絵本では、伝わってくる味わいが違うモノだと思いました。もちろん、どちらも大切で、どちらもいい! 他の作品でも、本当にそれを感じました。

    

         

    この作品に、今回は一番心を惹かれ、長く前にいたように思います。金原寿浩さんの作品と思うのですが、デフォルメされた日本地図の上に、浮かんでいるのはなんだろう?死の灰のようでもあり、人々の無念の思いが浮かんでいるようでもあり・・・その浮かんでいるバルーンには、家や牛や、故郷の風景がそっと映されていて・・・長い間佇んで、何度も何度もこの絵の前に戻ってきては、この絵の伝えるメッセージをしっかり受け止めて返りたいという思いにかられました。

    一番度肝を抜かれたのは、とても小さいこの作品でした。

            

       私だけでなく、この展示室に入って右を見ると、この馬に目がいくようになっていました。突然目に飛び込んでくるこの作品のインパクトは、相当なものです。私だけでなく、他の人で思わずドキッとして声をあげる人もいました。そんな何かを持った作品でした。

       私たちが作り上げた(無反省に原発の電気を贅沢に使った生活)の犠牲になったものの姿に思えて、思わず生きものたちにゴメンナサイと謝らなければならないという気持ちになりました。 人だけでなく、動物も、昆虫も、植物も、水も、土も汚し、取り返しのつかないことをしてしまった私たち。それなのに、なかったことにして、まだ(安全を満たせば原発の再稼働?!)

       安全をどう満たすつもりなのか・・・・

       芸術作品たちからの訴えに心を揺すられて先へ進むと、それまでとは違う展示もありました。科学的に安全ということへの疑問をしっかり投げかける活動をしている人たちの展示でした。この展示会場の周辺でも、表面とか適当な放射能検査で誤魔化せば低い値で済むらしい。でも、ちゃんと測定してみると・・・というのを実際に参加者を募って、周辺で検査した結果が公表されていました。

         

       詳細は、是非これを機会に、展示は今日が最終日ですが、「みんなのデータサイト」から見て下さい。全国31の市民放射能測定質が参加している団体のようです。原発から10年。でも、放射能は10年などで消えるような生半可な物質でないことを胆に命じて忘れないようにしないと。そんな活動をし続けている方たちがいることを、心強く思いました。

       ここには全て書き切れませんが、写真家の中筋純さんの作品については今回ほとんど触れませんでしたが、こんなに多くのひとと力を合わせて一緒に届けようとしてくれていたメッセージ。しっかり受け止めて、これからも(福島事故をもう2度と原発事故を世界の中に生み出さない)大きな力にしていく手伝いをしたい!と思いました。

       帰りにもう一度、最初の「目」の所の展示に立ち止まって、私が最初の頃にこの目の写真を見て書き入れたメッセージを見つけました。(*今は、もうメッセージに埋まって書き込むようにはなっていません

   

     「目にみえないものが1番大切で、1番怖いものだと思う」と書いたのですが、その最後の「う」の下に線が一本書き加えられ、「え」になっていました。「「目にみえないものが1番大切で、1番怖いものだと思え」 誰がいつ書き加えてくれたのものか。一本の線が、私の思いをさらに力強いメッセージに変えてくれていました。ありがとう! 

     ひとりの力は弱いものだけれど、「もやい」の心で、人々が力を加え合って進めば、今より素敵な世界が私たちの未来に広がっていく! そう信じて、これからもやっていきたいと思いました。

     どなたかこのブログを読んで行ってみようと思った方がいたら、今日の5時までです。

もやい展のfacebook はココから。動画も含む「もやい展」のページはココから、展示を終えてもみられると思います。

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