関東大震災100年の報道は、NHKを始め特集ではかなり力をいれて、新しく過去の動画映像や写真をカラー化したり、今に活かせる当時の状況の掘り起こしがあったように思う。「首都直下型の大地震の30年以内に起きる確率70%」というショッキングなデータも多くの人の脳裏に刻まれたと思う。ただ、不思議なのは、そんな地震が迫っている話が、一番大切な情報と繋げて語られないことだ。
地震大国と認識したら、何をすべきか。原発を即刻ドイツのように全廃することでしょう。これが、当たり前の結論になっていくはずなのに、そこにコメントするテレビ局やコメントする人がいない。震災の恐ろしさをマスコミが報道していても、防災の中に「原発ゼロの廃炉にする話」が出てこないかぎり、それは防災として片手落ちだろう。
ジャニーズ問題で、マスコミの沈黙が、ジャニさんの暴挙を許したこと。あの黒川さんに代わって検事総長になった林真琴弁護士が指摘しているが、原発問題もジャニーズ事務所へのマスコミの忖度とまったく同じようだ。原子村への忖度が、マスコミの間で原発事故後も変化がなく、今も続いているということだ。
日本の当時の民主党政権は、菅直人首相の下で日本全国の原発を全停止した。民主党政権も決して原発反対ではなく、原発輸出まで考えていた政権ではあった。しかし、福島事故の酷さ、危険を前に、全停止を決断し、再生可能エネルギーへの道筋を立てた。
ところが、その後、民主党の野田政権の時から、「脱原発依存」の姿勢が原子村(電力業界、自民党、経済産業省など)の圧力でジワジワと揺るがされた。そして、政権が自民党に代わると、ドイツや海外では、福島事故を受けて再生可能エネルギーへの転換が進んだのに、日本がどんどん遅れを取り、それどころか、日本では「原発神話」の復活が始った。
原発について、よく分からないという方は、是非無料公開になった映画「日本と原発4年後」「日本と再生 光と風のギガワット作戦」などを是非 ご覧ください。原発裁判の河合弁護士が裁判所に提出するための資料を撮り始めた画像を纏めて映画にしているものだ。
ジャニさんの問題以上に、原発は、国民の命と財産にかかわる問題。それなのに、何でこの関東大震災100年で防災が語られる中で、原発問題が語られないのか、私には理解できない。
福島の津波にも地震にも耐えた家や土地が、原発事故から12年経った今、他の地震被害地より復興が滞り、人が戻れない理由。それは目に見えない放射能のせいだ。「これから確実な可能性で起こる大地震で、国民に福島と同じ悲劇を背負わせてはならない!」はっきりと大きな声で告げるマスコミがないのは、どうしてなのか。私はマスコミを犯罪的だとすら感じる。
日本は、他国からの侵略や攻撃に備える必要より、未だに老朽原発にお金を注いで再稼働などと地震国で危険を増大させ国民や国土を危機に陥れているのだ。
それなのに、政府は8月24日に福島の処理水を海洋放出を漁業者などの反対の声も押しつぶして開始。そのことで、中国が日本の魚介類の不買を始めたことへ「科学的に安全が保障されているのに・・・」などの言葉で、中国の魚介類拒否があたかも間違っているかのように非難をしている政府の声がニュースで流れされ続けている。福島の漁業者を守るかのように、日本の漁業者を守る立場にいるかのように装って、自分たちは科学的であるかのように言っている言葉がそっくりそのまま・・・。
処理しきれなかった放射能物質を、薄めて海水に混ぜて放出して、安全という。本来なら、そんな自然界にないものを流すことは、推奨されるはずがない。許容範囲と決めたものに対して、今はOKと他国の基準に合わせて言っているだけだろう。中国が、日本を非難することに対しては、下の表を出して、ニュースでも説明している。
でも、中国に対しては、この表を示して「科学的でない」と抗議するのではなく、私ならこういう。
「あなたの原発でも、私たちの福島以上に有害物質は排出してしまっている。もう、だから原発は互いに止めて再生可能な安全エネルギーに転換していきましょう。持続可能な社会にしていくために、手を取り合って、技術革新を進めていきましょう。安全が第1なのは、私にもあなたにとっても、命ある魚にとっても、みんなにとって大事なことです」
ところが、日本はいま「科学的な根拠なく、政治的、恣意(しい)的に特定の国の水産物を全面禁輸するような国には、TPPに加入する資格は全くない」「中国の根拠のない対応は断じて受け入れられない」「(中国の禁輸措置は)経済的な威圧だ。何らかの対抗措置も考えておく段階に入っている」と自民党の幹部が 中国を悪者にするかのような発言がなされている。
この「科学的に安全なのに〜」との政府の言葉をマスコミが右から左へながしているが、科学的に必然と地震学者が大地震を予測している日本の大津波の危険性も高い海岸線で、老朽原発を60年を超えて再稼働するために莫大な費用を使おうというものに、「科学的」なんて言葉を使う資格なんてない! 放射性廃棄物処理の道すじすらつけられない日本で、そんな危険な再稼働を許すなんて。そんな愚かな、科学的でない政権を野放しで、国民の安全なんて、同じ口でいえるはずがない。
いま、関東大震災100年で様々な過去と現在の検証から、その驚異、過酷さを理解した日本人は直ちに、福島原発事故の過酷さを思い出して、廃炉でこそ国民の命と財産が守られること。世論を中国批判に誘導するのでなく、いかに原発がこの地震大国日本にとって目の前に迫っている重大解決課題かを、マスコミは、いま人々に強く訴えるべき時なのだ。
「60年の老朽原発を再稼働するなんていう愚かな自公政権」に、任せておけないことは疑う余地はない、と国民は気づくだろう。
野党も、正直情けない。反原発を言わない野党も多く、以前、「原発ゼロ」を掲げて「希望の党」を立ちあげた小池氏もとんだ食わせモノだった例もある。 だから、今 大事なのは、国民一人一人が、まずは再稼働を進め、防衛費増強し、敵基地攻撃能力などと言って、隣国との緊張を高める軍拡を進める馬鹿な長期政権にNOを突きつけること。
自分たちの地位を温存するために、統一教会とも手を組んだ議員を処分すらできない自浄能力のない長期政権にも本当に呆れました。そして、そんな自民党にまだ手を組もうとする公明党も不思議です。選挙協力を続けると今日もニュースでやっていましたが、創価学会の平和を愛する人たちは、そんな公明党に、さすがにNOを告げる時がきたと思っているでしょう。
平和を愛する創価学会SGIは、池田大作氏を長年リーダーとして、I CANや被爆者たちといっしょになって「核兵器禁止条約」の採択に力を合わせてきたではないですか。自民党のいう「核の抑止力」は、核を脅しに使う危険なやり方と、被爆者が怒っているのを知っていますよね。国民の安全のために自衛隊に敵基地攻撃能力をつける自民党、それと手を組み続ける公明党と創価学会は、もう一緒になんか、絶対やれないはずですよね。
『日本が自然災害で自滅しないような 「原発ゼロ」を目指した廃炉を確実に進められる政府』
『明日にも起こるかもしれない大災害の現実を直視した防災で「国民の生命と財産」のために予算を使う政府』
『隣国と緊張ではなく協力関係を、平和的に進められる政府』
平和を愛し、戦争を憎み、世界の人が等しく幸せを享受できる持続可能な世界を目指す人は、いまこそ、しっかり声を上げて行動に移していかないと、私は思います。もう人間同士で争っている時間はありません。それは破滅への時間を進めているだけのことです。
日本の自然災害、南海トラフ、首都直下大地震への残り時間もどんどん近づいていますが、人類の終末まで「残り90秒」となりました。
ロシアによるウクライナ侵攻とそれに伴う核兵器使用のリスクが増大したこと、気候変動がもたらす継続的な脅威や、新型コロナウイルスなどの生物学的脅威に関するリスク低減に必要な国際規範や制度が機能停止に陥っていることも要因となった。」と指摘しています。2022年から10秒短くなったそうです。
今年の猛暑は誰もが異常さな気温の上昇が、肌で感じられたはず。山火事も報道されないだけで、ハワイだけでなく世界中で起きて環境状況を悪化させています。せめて、人間だけは、人を傷つける兵器という愚かなものにお金を使うことを止め、自然災害からの被害を最小に留めること。世界が互いを尊重し、力を合わせて持続可能な未来を築くSDGsの本当の意味を理解し、愚かな人間同士の争いを見直していきましょう。
防衛費増大、老朽原発再稼働ではなく完全な廃炉へ。兵器は、痛みと死と恨みしか生みません。そんなわかりきったことを人間はいつまで続けるのでしょう。大事なのは命です。
命を守るには、人は危険を生み出すのではなく、危険を力を合わせて排除していかなくてはならないのです。
日本では、まず原発の廃炉です。
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