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シェーンを擁護する(11日・甲子園)

2005-06-12 12:33:28 | Inter League
【4回表】2アウト1,2塁でライトライナーを、シェーン・スペンサーが突っ込んでキャッチしようとしたが、後逸。打球は右中間を転がり、走者一掃(2者が還る)3塁打で「0対5」になった。その後、スペンサーが外野スタンドのファンと口論していたが、あれは正当なプレー。スペンサーに非はない。ましてや「エラー」でもない。あの打球に突っ込むのは外野手として当然の行為。どうしても、これ以上の追加点を許したくない場面。スペンサーを批判するスタンドのファンは「野球を知らない」。

 メジャーリーグを観ていても、外野手のああいうプレーにブーイングが飛んだ場面など見たことない。たとえ現在の“ブーイング王”松井稼頭央(ニューヨーク・メッツ)がライトを守って、ああいうプレーで後逸したとしても、決してブーイングなど起こらないだろう。寧ろ賞賛の拍手が起きるかもしれない。ナイスファイト! と褒められるだろう。メジャーのファンはそういう一生懸命なプレーには拍手を惜しまない。
 日本のプロ野球はいつまで経っても女・子供が観る野球に墜したまま。大人の男でも、子供の頃にキャッチボール一つしたことがない連中がグラウンドに背を向けて(他の観客に)応援の指図をしたり、鳴り物で騒いだりしているのだろう。唾棄すべき連中だ。野球を知らないから、野球をリスペクトしていないから、そんなことが出来る。

 あの場面、「2-2」からの勝負球、外角に甘いストレート(146㎞)棒球を投げたピッチャー桟原将司が責められるべきであって、後ろで守っている野手は飛んできた打球に懸命に追いつこうとする。ただ、それだけ。CS・GAORA(恐らくサンテレビ)解説の工藤(一彦)氏も「難しいですね、外野手の一瞬の判断ですから」と直後にコメントしながら、「スペンサーも状況を考えなければいけませんね」と矛盾したコメント。プロの解説者でさえこの程度なのだから、これが我が日本野球のレヴェル。

 しかし、スペンサーが「不振」なのは明らか。【4回裏】今岡誠のツーベースで1点を返して、なお2アウト2塁で、初球を打ち上げてファースト・ファウルフライ。【4回表】の直後だけに、取り返そう、批判したファンを見返そう、と力んだのだろう。
 メジャーでも期待されながら、レギュラーに定着できず、“ジャーニーマン”になって、各球団を転々として、日本のタイガースからお声が掛かって、今度こそレギュラーに定着して、ベンチウォーマーからおさらばしたい、と願っていたのだろうが……少し精神的に弱い面があるだけに、今度のことを契機にさらに深く落ち込むことが心配される。