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Hanshin Tigers Series 2024

ダーウィン、151㎞!(オープン戦|5日・倉敷)

2006-03-06 19:49:07 | Pre-Season Game
 タイガースの先発・杉山直久は【2回表】まで順調だったが、前日(4日)のクリス・オクスプリング同様、【3回表】に捉まる。先頭の高校生ルーキー(1巡目)住谷銀仁朗(平安高校出身)に甘く入ったスライダー(121㎞)を叩かれ、レフトスタンドに飛び込むホームランを喫する。
【4回表】には3番・中島裕之に四球を与え、4番“おかわりクン”中村剛也に140㎞の棒球をフルスイングされ、3塁線を破られ、2,3塁。1アウト後、石井義人を「2-1」に追い込みながら、粘られ「2-3」にして、勝負球(140㎞)がど真ん中に来て、センターに大飛球! 背走した赤星憲広が辛うじてキャッチして、2点目を献上。さらに7番・貝塚政秀にも初球のスライダー(124㎞)を引っ張られ、1塁線を破られ、3点目を献上する。
 杉山も「不安」だ。「10勝」どころか、先発ローテーション入りの危機、だ。たった1年の実績でシーズンオフの契約更改交渉で大幅UPを要求していた杉山。その時点で危惧の念を持っていたが……実質2年目のジンクスに嵌っている可能性が高い。

 2番手の桟原将司も2失点で降板し、失望だけが交錯したマウンドで、3番手のダーウィン・クビアンが≪快投≫を見せてくれた。【7回表】先頭の後藤武敏に初球から145㎞! 肩で大きく息を吐いて、テスト登板の緊張感を窺わせる。
 2球目ファウルの後、3球目に149㎞がとんでもない球! キャッチャーミットを掠め、バックネットに直撃!! 物凄い、球だ。4球目148㎞で(バックネットに)ファウル。完全に振り遅れている。勝負に行った新球フォークが外れて「2-3」になるが、最後は148㎞で捻じ伏せ、ショートゴロ。
 1番・栗山巧の初球にも149㎞! 2球目も148㎞でインコースを突き、3球目も同じ球(148㎞)で打ち上げさせ、ファーストフライ。2番・赤田将吾には150㎞でピッチャーゴロ。高く上がった打球を素早く処理して、間一髪OUTにして、胸を手で叩いて、撫で下ろすダーウィン。完璧なピッチング!

【8回表】先頭の中島に146㎞を叩かれ、三遊間を破られるが、4番・中村には初球スライダー(134㎞)で空振りさせ、“おかわりBOY”を唖然とさせる。2球目も同じ球で空振り。3球目(149㎞)で外角低目を突いて、4球目(146㎞)はインサイド。5球目(148㎞)でファウルを振り遅れさせ、最後はインサイドに150㎞で空振り! これは打てない。
 5番の“安全牌”(新外国人リーファー)の4球目にも150㎞を計測。「1-3」になるが、5球目(134㎞)に落として、6球目もフォーク(128㎞)で空振り三振! 6番・石井の5球目には151㎞を計測するが、「2-3」。最後はフォーク(129㎞)をバットを止められ、四球。しかし、7番・貝塚にも「1-3」にするが、147㎞でファウルを打たせ、最後はフォーク(127㎞)を打たせて、ライトフライ。
 鮮烈なピッチング、だった。スピードガンを毎回見る楽しみを味合わせてくれる。今シーズンこそ1軍に定着して、昨シーズンの藤川球児のような役割を務めることが出来そうだ。ダーウィンに目途が立てば、左腕・江草仁貴を先発に回せる目算も立つ。進化したダーウィンこそが、『J』ジェフ・ウィリアムスの真の「代役」になるかもしれない。

【9回表】「5対5」の同点でマウンドに上がった4番手、1軍当落線上の金沢健人だったが……簡単に2アウトを取って、1番・栗山も「2-2」に追い込んだが、「2-3」にして、勝負球のインコースの143㎞を強引に引っ張られ、1,2塁間を破られる。ダーウィンなら、これでファウルが取れるのだが……
 代打・平尾博嗣も「2-2」に追い込むが、決めに行った143㎞が高く浮き、最後のシュート(141㎞)も決まらず、2アウト1,2塁。ここで3番・ランナーを溜めて迎えてはいけないバッター、中島。「1-1」からのスライダー(125㎞)を「大」空振り。この空振りに騙されたバッテリー。4球目にも同じ球(125㎞)を配するが、これをフルスイングした中島。レフトスタンドに高々と舞い上がり、ボール際に飛び込む3ランホームラン! 
 金沢、悪夢の3失点。痛すぎる3ラン、だった。これでチャンスは潰えたか? 決め球が無いのが致命的だ。いつも追い込んでから打たれている。「5対8」タイガースはこの日も敗れて、2連敗。この時期のオープン戦とはいえ、投手陣の失点の多さが気になる。

ダーウィン151キロ!“代役”進化した (デイリースポーツ)