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Hanshin Tigers Series 2024

藤川3失点で不安…(26日・大阪ドーム)

2006-03-27 21:32:34 | Pre-Season Game
 最後のオープン戦、先発の安藤優也が5回を2失点。【4回表】まで毎回走者を許す苦しいピッチング。【5回表】こそ3者凡退に打ち取って、昨年のテンポ、リズムを取り戻したらしいが、結局このオープン戦、先発陣で安定したピッチングを見せたのは、唯の一人もいなかった。開幕を前にして「不安」が募る。
 安藤もキャンプ期間中は、今年は「15勝以上」とか「最多勝」とか(評論家諸氏に)絶賛されていたが、それも大袈裟だったことが判明した。安藤の場合、昨シーズンよりも、どれだけ「後退」を食い止められるか、だろう。

【6回表】2番手には、ファームから引き上げられた左腕・筒井和也(3年目)の抜擢。規定の投球練習を終えて、内野を駆け巡ってきたボールを受け取り、口を真一文字に結ぶマウンド上の筒井和。緊張感が漂っている。試合は「7対2」タイガースの一方的リードなのに、筒井にそんな余裕は微塵も感じられない。
 佐伯貴弘への初球132㎞でストライク。その瞬間、打席で佐伯が「ほお~」。何に感心したのか不明だが、ともかく「2-1」に追い込んで、キャッチャー矢野輝弘は内角低めに構えたが、140㎞がド真ん中に来て、これを流し打たれ、サード今岡誠の真横を破られるツーベース!
『WBC』の“英雄”多村仁はセンターフライ。打った瞬間、多村は悔しがり、平凡なセンターフライに思えたが、打球は意外に伸び、センターのフェンスに接触しながら、赤星憲広が好捕。多村の悔しさは、ホームランボールを打ち損じた悔しさ、だった。

 種田仁には「2-3」にするが、ラストボールの外角低目133㎞を「ボール」に判定され、フォアボール(四球)。これは気の毒だった。微妙な判定…『WBC』だったら「ストライク」のコース。この日の球審=橘高淳。……気の毒だった。
 これで気落ちしたのか、村田修一にも連続フォアボール(四球)を与え、1アウト満塁にされ、相川亮二が痛烈な当たり!! セカンド藤本敦士を強襲して、これが内野安打になって2者生還「7対4」。筒井はここで「無念」の降板……3番手は、金沢健人。
 口を真一文字に結んで、ダッグアウトに走って戻る筒井。それに視線をやった岡田彰布監督はベンチの前を手で叩き、これは指揮官の「悔しさ」の表明。溜息を一つついて、足を組んだ。不甲斐ない筒井への失望感……それだけ期待しているのだろう。

【7回表】からは「定番」藤川球児の登板だったが、石井琢朗にいきなり144㎞を叩かれ、1塁線を破られるツーベース!! キャッチャー矢野は外角に構えたのだが、逆球が来た。1アウト後、『WBC』で「同僚」金城龍彦には初球(145㎞)を狙われ、1,2塁間を抜かれ、1失点。
 志願したのか? 2イニングス目の【8回表】には、6番・種田に三遊間を抜かれ、7番・村田にも初球(148㎞)をライトスタンドに持って行かれ、都合3失点。球速は出ているのが、球威が無いのか、球が高いのか? いずれにしても、こんな球児では大事な【7回】を任せられない。あと1週間弱で調整は終わるのか? 

【9回表】には、もう一人の“問題の人”久保田智之が登板。前日(25日)同様、簡単に2アウトを取ったが、6番・種田に「2-1」から「あと1球」コールに乗せられ、インコースにズバッと146㎞で決めに行ったが、これをものの見事にベテラン種田に弾き返され、左中間を破られるツーベース!!
 7番・村田には警戒しすぎたのか、1球もストライクが入らず、ストレート(の四球)で歩かせて、1,2塁。嫌なムードが漂うが、8番・相川には真っ直ぐを封印して、全球スライダーで押し通し、何とかショートゴロに打ち取って、試合終了(14対7)。

 久保田の場合、このスライダーがあるから、球児よりも「深刻」ではない。久保田の生命線は(実は)スライダー。この球が生きていれば、たとえ真っ直ぐが荒れていても、何とか抑えられる。
 しかし球児の場合、真っ直ぐが「危険」なとき、代わりに勝負できる球は持っていない。『WBC』で「同僚」薮田安彦(千葉ロッテ・マリーンズ)にチェンジアップを習ったそうだが、まだ実戦で使えるレヴェルではないようだ。今度は、球児が「心配」だ。

球児 不安いっぱいの最終登板 (デイリースポーツ)