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Hanshin Tigers Series 2024

球児、復活の日!(9日・大阪ドーム)

2006-04-09 19:16:54 | Osaka DOME
 今日は、金本知憲の904試合連続フルイニング出場の「世界記録」達成の日。場所が大阪ドームで残念だな、と思っていたが、試合後のセレモニーを観ていると、逆にドームで良かったのか、とも思った。
 あの清原和博(オリックス・バファローズ)が、金本の加入が阪神タイガースを「猫から虎に変えた」と評していたが、正に至言。そして、この記念すべき日に活躍したのは、その後継者に相応しい男だった。

「2対1」勝ち越しに成功した【3回裏】尚2アウト1,2塁で6番・浜中治が連日の一発! レフトスタンドへ3ランホームランを放ち、「5対1」。大きく突き放したかに見えたが、【4回表】に先発・江草仁貴が連打を浴びて、「5対5」同点に追いつかれる。江草は記念すべき日の先発に力んだか……?

 しかし【6回裏】に勝ち越しホームランを放ったのも、浜中だった。これで第5号! セントラル・リーグのホームラン・ダービー単独トップに躍り出た。「6対5」勝ち越しに成功して、【7回表】からは左腕・能見篤史。そして【8回表】からは藤川球児。今シーズン初めて、『NFK』リレー=勝利の方程式が完成しそうだ。

 その藤川。先頭の4番・佐伯貴弘にこそフォアボール(四球)を与えたが、MAX151㎞を計測。球も低めに集まり、シュート回転もしない。復活の兆しを感じていたが、続く村田修一の送りバントの後、6番・種田仁にも四球。一抹の不安を感じつつ、バッターは代打『WBC』の“戦友”多村仁。痺れる場面だった。何しろ1点差……
 初球フォークで意表を突いて、2球目もフォークで空振り。キャッチャー矢野輝弘のリードが冴えている。3球目は速球(151㎞)で空振り! グラブをポンと叩いて、藤川。4球目はMAX152㎞の快速球で空振り三振! 「快速球」対「フルスイング」。「力」と「力」の対決は見応え十分だった。

 藤川は8番・相川亮二も150㎞で空振り三振に打ち取り、【9回表】はクローザー久保田智之にバトンタッチ。その久保田は前日(8日)のピッチングがあまり良くなかっただけに、1点でも追加点が欲しかったが、期待通りに【8回裏】6番・浜中の左中間フェンス直撃のツーベースを足掛かりに4点をもぎ取り、「10対5」。
 5点の余裕をもらって、久保田は前日の変化球一辺倒のピッチングから一転、強気に真っ直ぐ(MAX149㎞)を投げ込み、三振2つを奪って、この記念すべき試合を締め括って見せた。久保田にも復調の兆しが見られる。

友情に導かれ…金沢627日ぶり白星 (デイリースポーツ)

安藤の初勝利!(8日・大阪ドーム)

2006-04-09 00:05:08 | Osaka DOME
【2回表】に早くも先制点を許して、帽子を取って“男前の”坊主頭を全開にさせて、ダッグアウトに引き上げる、先発の安藤優也。その裏、先頭の金本知憲がセンター前ヒットで出塁し、5番・今岡誠が、ベイスターズ先発・土肥義弘のスライダーをレフトスタンド3階席に運ぶ特大のホームラン! 
 ダッグアウトに戻っても、白い歯一つ見せない今岡。開幕戦からの鬱憤が溜まっているのだろう。チャンスに強いバッターがチャンスで打てない試合が続いた。今岡の笑顔が見られる日は近いか? 続く浜中治も左中間スタンドに叩き込んで、「3対1」。

 この攻撃で今日も何点が入るのだろう? と思ったが、その後は左腕・土肥に抑え込まれ、【8回裏】ルーキー高宮和也に代わって、タイガース打線が再び牙を剥く。先頭の金本がファーストゴロに打ち取られた後、今岡がレフトスタンドへ第3号! 
 低い弾道だったために、スタンドも放送席も静まり返っていたが、本人は打った瞬間、手応えがあったようだ。その後、矢野輝弘にも右中間フェンス直撃のツーベースが出て、「5対1」。欲しかった追加点が取れて、ヘルメットを着けた9番・安藤に岡田彰布監督が声を掛けていたので、これで交代かと思われたが、安藤はそのまま打席へ。

【9回表】その安藤が1アウト後、3連打を浴びて、交代。やはり、代打を送っておくべきだったと思う。何故か、昨シーズンから安藤には完投を強制させるが、これが不思議だ。先日(6日)のクリス・オクスプリングや下柳剛には早々に交代を命じるのに、安藤のスタミナは無尽蔵だと思っているのだろうか? 謎だ。

 救援のマウンドに上がったのは当然、久保田智之。1アウト1,2塁で、5番・多村仁が初球(スライダー)に手を出してくれて、セカンドゴロ。しかし、6番・種田仁をストレートの四球で歩かせて、2アウト満塁になって、7番・村田修一にも「0-2」。
 ここでサード今岡がマウンドに歩み寄り、久保田に「喝」を入れていた。終始、厳しい表情、今岡。怒ったような表情、今岡。今岡にこんな顔をされたら、久保田も気合が入るだろう。村田をセンターフライに打ち取って、ゲームセット。それにしても、変化球(スライダー、フォーク)の連投。真っ直ぐは1球(147㎞)しかなかった。キャッチャー矢野の判断だろうが、復調には程遠い久保田のピッチングだった。

 試合後、ホームプレート上で金本が花束を受け取っていた。903試合連続フルイニング出場世界タイ記録の達成。カル・リプケン氏(前ボルチモア・オリオールズ)に遂に並んだ。いよいよ明日(9日)世界新記録達成の日を迎える。
 そういえば、その後のヒーローインタヴュー(お立ち台)でも、今岡に殆ど笑顔は見られなかった。口元を引き締めたまま。今シーズンに懸ける強い気持ちを感じる。選手会長の「任」は下りても、このチームのリーダーは今岡。それを強く感じた試合だった。

安藤“復肩”!今季初勝利 (デイリースポーツ)